名門・早大の四番を任されている。プレッシャーは想像以上だが、自らで壁を乗り越えていくしかない。誰もが認める能力は、ドライチ候補だ。 取材・文=岡本朋祐 写真=矢野寿明 
ガッチリとした体型だが、スピードを持ち合わせる。50メートル走6秒1と攻守走で勝負できるポテンシャルだ
左打席で相手投手を圧倒する、大きな構え。
蛭間拓哉の原点は、猛練習に明け暮れた小学校時代にさかのぼる。
「実家(群馬県桐生市)は織物卸売業を営んでいるんですが、近所にあった知人の工場を室内練習場に改築しまして、使わなくなったネットとマシンを譲っていただき、父(昌久さん)と打ち込んでいました。どっしりしたスタンスで、両目でボールを見る。
金本知憲さん(元
阪神ほか)の打撃フォームをずっと参考にしていました」
室内練習場が完成した小学4年時から毎日、夕方6時から9時までバットを握った。中学時代に在籍した前橋桜ボーイズの練習は水、土、日のため、休日に設定した月曜を除く平日は仕事を終えた父と汗を流した。
保育園に通っていたときは、漠然と「消防士になりたい」という将来像を描いていた。小学校3年で野球を始めると、6年時にはライオンズジュニアでプレー。NPBジュニアトーナメント(札幌ドーム)でプロと同じユニフォームを着ると「ドラフト1位で指名されたい!」と、卒業文集にも夢を書き留めたという。
当事者にしか分からない重圧
浦和学院高では・・・
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