「ムチャクチャなことをしてきたかもしれないですけど、選手が応えてくれて、考えた以上の力を発揮して勝ってきました。感謝しかないです」──中嶋聡監督 本誌取材班=鶴田成秀、小林篤 写真=榎本郁也、高原由佳、高塩隆、桜井ひとし、佐藤真一、早浪章弘、毛受亮介、矢野寿明、佐藤博之 
日本一のチャンピオンフラッグとともに記念撮影を行うオリックスナイン
ついに悲願が成就した。10月30日、神宮球場。5対4と1点リードの9回裏、
ワゲスパックが
塩見泰隆を空振り三振に打ち取ると球場に歓喜が渦巻いた。オリックスが昨年の日本シリーズで敗れた
ヤクルトにリベンジを果たし、
イチローを擁した1996年以来、26年ぶりの日本一。マウンド上で歓喜の輪をつくるナイン。その後、中嶋聡監督の体が神宮の夜空に5度舞った。

最後はワゲスパックが締め、オリックスが頂点に。昨年の日本シリーズで敗れたヤクルト相手にリベンジを成し遂げた

胴上げ時にはバックスクリーンのほうを向いて万歳をする選手たちも
「ムチャクチャなことをしてきたかもしれないですけど、選手が応えてくれて、考えた以上の力を発揮して勝ってきました。感謝しかないです」と選手を称賛した中嶋監督。今季限りで退任する宮内義彦オーナーは「無上の喜び。個人的にはメチャクチャ、いい締めくくり」と感無量の面持ちだった。

マウンド付近で記念撮影を行う投手陣たち

オリックスナインは日本一の喜びをファンとも分かち合った
シーズン最終戦でのリーグ優勝、日本シリーズでは2敗1分けから4連勝。たくましさを増して「叶うべき夢の先へ」到達したナインは誰もが誇らしげな表情を浮かべた。

歓喜のビールかけで選手たちは、はしゃぎ回った