カープのために帰ってきた。強い覚悟で帰ってきた。4年連続Bクラスに沈むチームの再建を託され、就任以降、周囲の期待はふくらむばかり。ただ、チームの変化を一番楽しみにしているのは、指揮官自身にほかならない。 取材・構成=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭、佐藤真一 
10月12日の就任会見から新指揮官はチームに対する熱い思いを言葉に。若い選手たちには特に期待するところが大きい
ギラギラ、グイグイ
3年間チームを率いた佐々岡真司監督の退任会見から4日後の10月7日、球団は新井貴浩新監督の就任を発表した。驚きとともにあふれたのは期待感だ。広島を、カープを愛する男の手によって、チームはどのように変わっていくのだろうか。10月12日に行われた就任会見、11月14日からチームに合流して7日間を見守った宮崎・日南での秋季キャンプを経て、ますます高まっていく期待感。2023年シーズン、新指揮官がつくり上げる新チームから目が離せない。 ──今秋のキャンプは途中からの合流となりましたが、最終日には「すごく充実したキャンプだった」と笑顔で締めくくりました。
新井 初めて話す選手が多かったので、そういう面で合流する前からすごく楽しみにしていました。よく「いろいろな選手に声を掛けていましたね」と言われたんですが、自分では意識していろいろな選手に話し掛けようとは思っていなくて。普通に素でやっているというか、「自分がしゃべりたい、聞いてみたい」っていうふうに思って、話し掛けていた感じです。
──それは、これまでとあまり変わらず?
新井 とはいっても、解説者のときとはやっぱり立場が違うので、少しニュアンスは変わってはくるのかな。ただ、やっぱり『知りたい』というのが前提にあって。例えば、どこ出身なのか、とか、兄弟何人いるのか、とか。そういう野球以外のことについてもいろいろと聞きたいと思って、話をしていました。
──外から見ていたチームと、実際に中に入ってみては、何か違うところはありましたか。
新井 チームに合流してまず思ったのは、みんな、すごく一生懸命に練習するな、ということ。で、元気がいいな、と。解説者のときは、いい意味で、そういうところが分からなかったんですよ。こんなに元気があるんだ、こんなに一生懸命に練習に取り組むんだ、というのが印象的でした。
──新井監督自身は今秋、どんなテーマをもってキャンプインしたのでしょうか。
新井 テーマとしては・・・
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