ここからは、今年から背番号を変更した選手たちの声を拾っていく。「背番号は名前と一緒ぐらいの力がある」。今年から阪神の『14』を着ける左腕は、その重みを感じている。だからと言って気負いはない。自分の色を出していくだけ、と今の自分のできることのみにまい進する。ここから新しい背番号でのイメージをつくっていく。 取材・構成=椎屋博幸 写真=牛島寿人、石井愛子、BBM 
2023年より、17の背番号から14へ。新しい岩貞の野球人生が始まる
『14』=阪神の左腕エース
阪神からオリックスへ移籍し、2022年限りで現役引退をした能見篤史氏。彼が入団した05年以来、16年間背負った『14』。あれから3年がたとうとしている今でもファンの記憶の中に『14=NOHMI』が深く刻まれている。しかし、今季から同じ左腕で、能見氏を敬愛してやまない男の番号を背負うことになった。球団へ感謝をしながら、この番号と向き合っていく覚悟だ。 ──今年から背番号『14』を着けて阪神のユニフォームを着ることになりました。
岩貞 球団とのFA交渉のときに14を用意しているという提案をいただきました。もちろん、その話を聞いて、僕の中にうれしさがあったのは間違いないです。ただ背番号のことがあったから残留しようと思ったわけではないです。そこは分けて考えていました。
──じっくりとFAと向き合うときに背番号のことは別として考えるのは当然ですよね。
岩貞 そうですね。最後は阪神に残留を決め、お世話になろうと決めました。その中で提案していただいた14も必然的に着けるという流れになりました。
──『14』を着けるにあたって、阪神では能見(能見篤史=昨年限りで現役引退)さんのイメージが強いです。実際に何かお話はされたのでしょうか。
岩貞 最初の交渉でこの14を提案されたとは先ほど言いましたが、そのあと、すぐに連絡をさせていただきました。能見さんからは「FAというのは自分が時間をかけて取った権利だから、背番号のことで(野球人生を)左右されないように」ということを言われました。
──残留を決めたと同時に球団から提案のあった『14』を自動的に着ける形に。実際に、そのときの心境はどういうものだったのでしょう。
岩貞 実は、今でも実感が湧いてはこなくて……決定したのがオフの期間でしたので、実際に14のユニフォームを着ていないので、何とも言えないです……。ただやはり14という数字には「阪神=左のエース」というイメージが僕の中にも非常に強く印象にあります。多分ファンの皆さんもそうだと思いますので、僕自身は、そういうプレッシャーもこれから感じるのかな、とも思っていますね。
──やはり『14』のイメージというのは、左のエースという感じですか。
岩貞 その考えもあるのですが・・・
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