幾多の物語が結実した世界一奪還。自分自身との戦いもありながら、チームを、日本の力を信じて力を発揮した侍たちの戦いを振り返る。 写真=Getty Images 
世界一の頂点に立つと、信じて起用し続けた村上に抱きつく栗山監督
濃密なドラマの数々
野球少年のように無邪気に喜んだ。「イエーイ!」とティファニー製の優勝トロフィーを掲げ、シャンパンファイトでも「みんなが喜んでよかったね。イエーイ!!」。この日ばかりは、極上のハッピーエンドに酔いしれた。
いつもは常識にとらわれない
栗山英樹監督も、ラストシーンは疑わなかった。1点リードの9回二死。
大谷翔平とマイク・トラウトの対決。帰国後のテレビ出演で、その瞬間を振り返った指揮官は「ゲッツーで二死となった瞬間に『勝てるかもしれない、この物語』って。完全に物語ですよね」。89番を背負う名将が紡いだ数え切れないほどの濃密なドラマが、3大会ぶり3度目の優勝を引き寄せた。
大谷との物語――。今大会のメインストーリーだ。
日本ハムの監督として2012年秋のドラフトで1位指名した11年前から本格的にスタートした。花巻東高から日本プロ野球を経ずにメジャーを目指した18歳の少年に「二刀流」という道を切り開き、世界一の選手になろうと誓い合って二人三脚で歩んだ。メジャーへ送り出したあとも・・・
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