WBCに出場した侍戦士のあとを追い球界の次代を担っていく若武者たちにスポットを当てる。まずインタビューで登場するのは、新球場を追い風にして旋風を巻き起こすことを誓うファイターズの若き四番だ。 取材・構成=杉浦多夢 写真=高原由佳 開幕四番の重み
大きな期待を受け続けながら、ケガに泣かされてきた。それでも周囲の、新庄剛志監督の期待は変わらない。オープン戦ではなかなか状態が上がらなかったものの、出場するときは常に「四番」。そして野村佑希自身も「四番」というポジションに、こだわりとプライドが生まれている。迎えた新球場エスコンフィールド北海道での楽天との開幕戦、スコアボードのラインアップにはファイターズの四番として野村佑希の名前が点灯していた。「開幕四番」の思いをしっかりと感じながら、新たな舞台で、新たなシーズンに挑む。 ――新しい球場で迎えた開幕戦はいかがでしたか。
野村 緊張したなというか、新しい球場での一発目ということで、今までの開幕とはまた違った緊張感だったかなと思います。初めて一軍で試合に出た2020年が短縮シーズン(120試合制)で無観客だったので、お客さんの声援も全然違いましたし、打席に向かうときの気持ちの上がり方も違いましたね。
――「開幕四番」という重みもあったと思います。
野村 21年の開幕戦(楽天戦、楽天生命パーク)でスタメン出場したときは七番だったので、四番で迎えるというのは責任感が大きかったです。やはり四番が打たなければ勝てないので。全然違う役割だと思います。
――あらためて昨季はどんなシーズンでしたか。
野村 いろいろな経験をすることができたと思います。四番を含めて多くの打順を経験しましたし、ケガを含めてうまくいかないことはたくさんあったんですけど、その中でいろいろなことを試しながらできました。四番としてたくさん出る中で、調子が悪い中でも最低限の仕事をするという打席が着実に増えていったかなと思います。
――その上でオフからキャンプ、開幕に向けて、どのようなことに重点的に取り組んできたのでしょうか。
野村 基礎を大事に、もう一度基本を見直すというところですね。まず自分の土台となる体を大きくすること、単純にパワーを上げるという部分は重視してきました。
――実際に体も大きくなりました。
野村 ただ、ここからシーズンを通して体重が落ちていってしまったら意味がないので。なんとか維持、できればもっと増やしながらシーズンを過ごしていきたいなと思います。
――キャンプは順調に過ごすことができながら、オープン戦で思うような結果が出なかったのはどうしてだったのでしょうか。
野村 もちろん技術的な部分が大きかったなと思うのですが、メンタル的にも「打たなきゃ、打たなきゃ」という気持ちになってしまったのが、そういう結果につながってしまったのかなと思います。
――その状態からは抜け出し、開幕後はポジティブな言葉もありました。
野村 しっかりピッチャーとの対戦に集中することができたというか。技術的なこともあるんですけど・・・
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