「まだ何も考えていません」3月31日、NPBの井原敦事務局長は侍ジャパンの次期監督について尋ねられ、「白紙」であると答えた。第6回WBCは3年後の2026年だが、今年11月には「第2回アジアプロ野球チャンピオンシップ」が開催される予定だ。新たな指揮官を決めなければいけないが、果たしてどのような人材が適任なのか。今回のWBCで世界一奪還を成し遂げた栗山英樹監督の言葉から探っていこう。 写真=Getty Images 
チームを世界一に導き、ナインの手によって胴上げされた栗山監督
大局観を交えての回答
栗山英樹監督が、世界一になるチームづくりをどう行っていたのか。3月27日、日本記者クラブで開かれた記者会見で、そのヒントを明かしてくれていた。それは、WBCを四番としてスタートさせた
村上宗隆を大会途中で四番から外した経緯について問われたときだ。あえて、ピンポイントでは答えず、大局観を交えての回答に侍ジャパンを束ねる大将として必要な資質が垣間見えた。順を追って、あらためて栗山監督の言葉を振り返る。
「戦う前、監督になったときに、もちろんいくつかやらないといけないことの順番は1番目からある中で、どういう感じであっても、何が何でも勝ち切る。日本の野球が、世界一になるというのが一番上にある。そのあとに、僕がやらなければいけない使命を勝手に決めていて。その中で、例えばダルビッシュ(
ダルビッシュ有)選手のようなとか、大谷(
大谷翔平)選手のようなとか、
鈴木誠也選手のようなとか。日本を代表する選手たちが、大会を終わったときに必ず何人か出てくる。そういう人たちが、これからの日本球界には、必要なんだという使命もあった」
この前置き段階の回答には、チームづくり=メンバー選定の上で大事にした考え方が詰まっている。「世界一になる」というゴールから逆算して、そのために必要な戦力は誰なのか。その人選の過程に・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン