現在の一軍戦力を見ても20代がズラリと並ぶだけでなく、次代を担う選手が続々と台頭。ドラフト戦略と現場育成の歯車がかみ合い、チームづくりを進めていく背景にあるものとは──。すでに数年先を見据えた“育成”もスタート。焦りなき姿勢が進化の土壌だ。 文=喜瀬雅則 写真=BBM 
最大10投手が同時投球できるキャンプ地・清武のブルペン。中継ぎの一角を形成する高卒6年目・山崎颯一郎[写真手前]も、順調に成長してきた投手の一人だ。複数投手が同時に投球できるがゆえの“心のケア”を忘れないのも確かな育成法の一つ
「育成型」へ変貌
2023年、開幕直後の先発ローテーションを担った投手の平均年齢を12球団で比較してみると、
オリックスと
巨人がともに25.3歳で最年少。開幕投手が二度目の登板を果たすまでを「一回り」として、開幕ローテを担った人数とすると、4球団が5人、7球団が6人という中で、オリックスは9人。さらにその“9人ローテ”の中に、高卒での生え抜き投手が3人いる。
プロ初登板が初の開幕投手という異例のデビューを飾った3年目の剛腕・
山下舜平大(福岡・福岡大大濠高)、3月のWBCで日本代表として活躍、2年連続投手5冠を誇る24歳・
山本由伸(宮崎・都城高)、プロ2年目の一昨年から2年連続で2ケタ勝利、山本と同じくWBC日本代表に選出された21歳の左腕・
宮城大弥(沖縄・興南高)だ。
リリーバーでも、球団史上最速の160キロをマークしたセットアッパー・山崎颯一郎(福井・敦賀気比高)は山本と同期の2017年入団で、こちらも追加招集ながら3月のWBC日本代表に選出された。育成指名で目立つのは、大卒にはなるが、21年に育成ドラフト3位で入団した
宇田川優希(仙台大)が2年目の昨年7月に支配下登録され、最速158キロの剛球と落差の大きいフォークで26年ぶりの日本一に輝いた日本シリーズで活躍、WBC日本代表にも選出されている。
野手に目を向けても・・・
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