今季も二刀流でメジャー・リーグを席巻している大谷翔平。ピッチングではスイーパーが大きくクローズアップされている。平均的なスライダーより横に大きな弧を描き、落ち幅も小さい。最も投球割合が大きい大谷の同球種に関して、元メジャー・リーガーの岩隈久志氏に聞いた。 取材・構成=小林光男、椎屋博幸 写真=Getty Images ※情報・データは現地時間6月22日現在 ![](https://cdn.findfriends.jp/img.sp.baseball/show_img.php?id=91793&contents_id=p_page_001)
メジャー6年目を迎えた大谷。変化球はスイーパーをメインに使っている
ストレートの質に納得がいかないから!?
──現役時代に岩隈さんはスイーパーのような変化をするスライダーは投げていましたか。
岩隈 僕は3種類のスライダーを駆使していました。カットボールも含めれば4種類です。その中に、大きく横に曲がるスライダーもありました。近鉄時代はストレート、スライダーが主武器だったので、ストライクゾーンからボールゾーンに曲がる変化で空振りを奪うことができ、非常に有効でしたね。
──スライダーを投げる際に気を付けていた点は?
岩隈 やはりストレートとリリースポイトを変えずに、同じ軌道に入れることを意識していました。打者にスライダーを投げる、と悟られないようにするためです。腕の振りがストレートに見えれば見えるほど打者が錯覚。ストレートだと思ってバットを振り始めても、右打者の場合、そこから大きく外に変化していくのでボールを追い掛ける形になって打撃を崩されてしまいます。変化量も把握できていたので大体、狙ったところに投げることができましたよ。
──大谷投手の場合はスイーパーを投げる際、ストレートよりも腕の位置が下がっているように感じます。
岩隈 そうですね。打者がスイーパーだと判別できそうですが、大谷投手のスイーパーは球速が出ますから。メジャー・リーグの平均より速いので・・・
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