春夏を通じて東北勢として悲願の甲子園初制覇。深紅の優勝旗が初めて白河の関を越えて間もなく一年。昨年の日本一メンバーが多く残ってはいるものの、仙台育英にとっては再びの夏、新しい挑戦が始まる。 文=高橋昌江 
6月の春季東北大会。仙台育英は八戸学院光星[青森]に敗れて準優勝に終わったものの、夏に向けて着々とレベルアップしている(写真=BBM)
濃密な練習試合
6月26日、宮城大会の組み合わせ抽選会が行われた。昨夏の甲子園で春夏通じて初の優勝を果たした仙台育英は、春の県大会で優勝しているため、第1シードで臨む。抽選会に参加した
山田脩也主将(3年)は「昨年の夏に(甲子園で)優勝して、また新しいチームとして始まる夏なので、一戦必勝で、目の前の相手としっかりと戦っていきたいと思います」と意気込みを口にした。
新しいチームとして始まる夏、という表現が今年の仙台育英らしかった。昨夏の全国優勝後、センバツ出場を決めれば「夏春連覇」がついてまわり、今は2004、05年の駒大苫小牧(北海道)以来となる「夏連覇」の期待がかかる。だが、仙台育英は「連覇」という言葉を使わない。チームが始動するとき、須江航監督が「2度目の初優勝」という独特の言い回しを用いたことに由来する。
旧チームで1ケタの背番号を背負った選手が5人おり、投手3人も甲子園のマウンドに上がった。経験者が多く残ったとはいえ、経験値で戦えるほど甘くはない。新たな選手が加われば戦い方も変わる。日本一をリセットし、「新しいチーム」であることを強調しながら進んできた。
1年秋から正捕手を務める尾形樹人(3年)は・・・
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