とどまるところを知らないバッティングの進化。その姿をファンはもちろん、全米各地の専属実況、解説者も楽しみにしている。背番号17への称賛が鳴りやまない。 文=奥田秀樹 写真=Getty Images 
子どもから大人まで、すべての野球ファンが大谷のバッティングを楽しみにしている
新スケジュールのおかげで球場は満員
大谷翔平が打者として著しい進化を遂げている。2021年は投打二刀流でMVPを獲得したが、今季についてはスポーツ・イラストレイテッド誌のトム・ベデューチ記者が「投げていなくてもア・リーグでMVPに選ばれるレベル」と評している。
メジャー最初の5シーズンは平均打率.267、平均長打率.532だったが、今季の前半戦は打率.302、長打率.663である。メジャーの長い歴史の中で、打率3割以上、長打率6割以上、三塁打数でトップのシーズンを送ったのは2人だけ。1948年のスタン・ミュージアル(カージナルス)、54、55年のウィリー・
メイズ(ジャイアンツ)だ。うち48年と54年はMVP。ここまで大谷の三塁打数は6本でトップである。打球はより鋭くなり、平均打球速度93.8マイルはキャリアハイ、一方で三振率は一番低い21.9%。加えて今季430フィート(約131メートル)以上の本塁打が16本で、これは23球団の選手合計よりも多い。
そんな大谷を今年は全米のより多くの球場で、地元の野球ファンが楽しめている。23年はいろいろと新ルールが導入されたが、その中でファンにとって幸いなのはバランスの取れたスケジュールで30球団総当たりになったこと。大谷は最初の5年で、ア・リーグの全球場でプレーしたが、ナ・リーグは5球場がまだ。4月28日から30日はミルウォーキーのアメリカンファミリー・フィールドに初登場となった。地元解説者のビル・シュローダーは・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン