ここで先駆者の話を聞こう。2003年終了時点で1901安打。「2000安打まであと99」とカウントダウンが始まったのに、実際に達成するまで4年かかったのが、日本ハムの田中幸雄。その数字が持つ魔力は、何だったのだろうか。 取材・構成=落合修一 
かつての本拠地・東京ドームで開催された2007年5月17日の楽天戦で通算2000安打を達成した田中幸雄[日本ハム]
2000安打のおかげで現役生活が延命
――田中さんの場合は2003年のシーズン終了時点で通算1901安打。「あと99」はレギュラーの選手なら1年以内に達成できますが、そこからの年間安打数は20、46、15。07年5月17日に2000に到達するまで、4年近くかかりました。
田中 年齢的なこともあって、03年くらいからスタメンが減りました(その時点で36歳)。先発出場機会が減ると、出場試合数も打席数も減るので、安打数も減ります。レギュラーだったときは「試合に出るのが当たり前」という感覚でしたから、ベンチにいることが多くなった当初は戸惑いがあったのは事実です。先発すれば1試合で4打席あって、1打席目、2打席目が凡打でも3打席目、4打席目で挽回するチャンスがありますが、代打だと1打席勝負。そういう難しさは感じていました。
――2000安打という目標が、日々の大きなモチベーションになりましたか。
田中 どうでしょう。その数字がなくても、「野球をしたい。野球を長く続けたい」という自分の気持ちは変わらなかったはずなんですよ。僕の場合は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン