2007年に導入されたクライマックスシリーズ(CS)。昨年まで15回開催されたファーストステージの試合結果を集計し、「勝ち抜けるチーム」の勝敗の傾向を分析した。 文=落合修一[編集部] 
今のところシーズン3位から唯一日本一になった2010年のロッテ。写真は日本シリーズ出場権獲得のシーン[左は成瀬善久投手、その右が里崎智也捕手]
ファーストステージは3位チームが有利
クライマックスシリーズ(CS)が2007年に導入されて以来、昨年まで15回開催された(ここではファーストステージを中心に考えるので、新型コロナウイルスの影響でパ・リーグのファイナルステージしか開催されなかった20年は除く)。
ファイナルステージはペナントレース1位の優勝チームに1勝分のアドバンテージがあったり、休養十分のエースを第1戦に起用できたり(ファイナルの対戦相手はその時点でエースを使った直後であることが多い)、明らかに優勝チームが有利な条件で戦えるシステムになっているが、2位と3位が戦うファーストステージにそこまでの優位性の差はない。リーグ優勝できなかったのはどちらも似たようなものだから、と言っては身もフタもないが、2位チームが有利な点は本拠地球場で開催できること、引き分けが事実上の勝ちになることくらいしかないのではないか。
そのせいかどうか、3位チームがファーストステージを勝ち抜き、ファイナル進出となることも意外と多い。過去15年の実績を見ると、2位チームがファイナルステージに進出する確率は
セ 15回中6回
パ 15回中7回
両リーグ合わせると、2位チームがファイナル進出する確率は43%。むしろ、3位チームのほうが有利なのである。
2位チームから見た試合合計の勝率は、
セ 16勝22敗1分(勝率.421)
パ 18勝19敗1分(勝率.486)
となる。両リーグ合計では2位チームが34勝41敗(勝率.453)なのだから、2位のほうが不利といえる。「リーグ優勝が決まったあとはほかのチーム同士による激しい2位争い」とよく聞く。今年のパ・リーグもレギュラーシーズン最終盤はそういう状況だった。もちろん、目の前の試合に勝ちにいくこと、少しでも上の順位を目指すことは野球選手の本能として当然過ぎるほど当然なのだが、CSファーストステージの有利さだけを考えるとそこまで必死になって2位を目指さなくても……、というのが正直なところだ。むしろ、2位になることのメリットは・・・
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