豊作と言われた今年のドラフト。1位指名は再抽選を含め7人が競合。球界の未来を背負うドラフト1位選手をピックアップする。 取材・文=谷上史朗 写真=佐藤真一 ソフトバンクの帽子をかぶってポーズを決める。未来のエースとして期待は大きい
ワクワクしながら見ていた抽選
大阪桐蔭高校本館地下にあるリバティーホールに3年生部員たちの声が上がったのは、ドラフト開始から30分が過ぎたころだった。1巡目指名選手が競合しクジに敗れた6球団による2回目の入札。2番目の
日本ハムのところで
前田悠伍の名前が読み上げられると、4番目の
楽天、5番目のソフトバンクも前田を指名。“外れ1位”の3球団競合であらためて高校生No.1の力を示す結果となり、再抽選の末、ソフトバンク・
小久保裕紀新監督が当たりクジを引き当てた。
「表情には出さないようにしていましたけど、抽選のときには自分がどこの球団に行くのか、ワクワクしながら見ていました」
ドラフトが近づいていたある日、前田と話をしていると、この先の話題になった。どんなチームに行きたいと思ってる? 漠然とした問いにこう返ってきた。
「競争の激しいところがいいです。若い選手が伸びていて、自分も伸ばしてくれる、そんな球団がいいです」
あまりに競争が激しいと力をつけても一軍で出るのが大変になるけど……。これにもあっさり返してきた。
「レベルの高いところでやるほうがいいものを見られたり、ためになる話を聞けたりもできて、絶対成長することができます」
聞きながら私の頭の中にいくつかの球団が浮かんでいた・・・
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