リーグ3連覇の原動力となったセットアッパーが痛打を浴びてよもやの敗戦──。2年連続の日本一を逃し、さらに強さを増すことを誓うのは、流した涙を明日への光とするためだ。 取材・文=鶴田成秀 
甲子園での日本シリーズ第5戦。1点リードの8回一死二、三塁の場面で登板した宇田川優希が逆転打を浴び、阪神打線の火を消せず
1つの答え
窮地を何度救ってきたことか。支配下登録された昨年7月からの約1年半で、計65試合登板、23ホールド、2セーブ。宇田川優希への信頼は揺るがない。阪神との日本シリーズ第5戦(甲子園)の8回、1点差に迫られ、なお一死二、三塁の場面で虎の三番・
森下翔太に逆転三塁打を浴び、続く
大山悠輔に中前へ運ばれ、2点を献上すると、マウンドを
阿部翔太に託した。ベンチに戻ると、涙が頬を伝う。お前は悪くない──。ピンチを招いて後を託した
山崎颯一郎も「俺が悪い」と言い、ベンチでは助っ人・
ゴンザレスが宇田川を後ろから優しく抱きかかえる。ナインの思いは皆、同じだった。
「(森下に打たれた直球は)自信持って投げたんで、それを打たれてしまったなら仕方ないというか、相手が上だったと思います」
試合後、
大勢の報道陣に囲まれた右腕はそう口にしたが、悔いがないと言えばウソになる。帰宅後も痛打を浴びたシーンが頭から離れない。「ああしておけば、いや違う。こうだったのかな」──。答えなき自問自答を繰り返す。翌日は移動日も、本拠地を関西に構える球団同士の“関西シリーズ”とあって、移動は生じない。皮肉にも・・・
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