トミー・ジョン手術から3年目。チームの“核”になると決意して6年目のシーズンを迎えた2018年の新人王左腕。宣言どおり先発投手陣の核として、16勝3敗をマークし最多勝利投手、勝率第一位投手の2冠を獲得した。高みを目指し続ける一方で、今度は自らの経験も若手選手に還元していく。 取材・構成=武石来人 写真=BBM あの一打があったから
今季のDeNAを語る上で欠かせない左腕は、6月から自身12連勝を飾るなど一騎当千の働きだった。新人王獲得以来、年間通しての活躍はなかった投手がなぜこれだけの成績を残せたのか。そこには継続した取り組みと転換点となった試合があった。 ──個人タイトルとしては自身初の最多勝、勝率第一位を獲得し投手2冠です。
東 タイトルは、野球人生でいつかは獲りたいと思っていました。今年12球団で一番の数字を残して2つの賞をいただけたことは、非常に光栄ですね。
──要因はどこにあると考えていますか。
東 一つはキャンプから取り組んできたことがシーズンで発揮できたこと。そして、調子の波を小さくして投げられたことが、非常に実りのある1年につながったと思います。
──勝利数と勝率、どちらも価値のある数字ですが、あえて挙げるなら重きを置いていたのはどちらでしょう。
東 難しいですね。それぞれ良さがあって甲乙つけがたい。やはり、最高勝率というのは、16勝3敗で貯金を13つくったことで獲得できたタイトルだったのでうれしいですし、16勝という数字もまた今までの僕にとっては未知の世界でした。今季は、1試合1試合、ただただガムシャラにチームに勝利を、と考えながら投げてきました。シーズン終了後に驚いたのは、僕が考えていた以上に16という数字について周りの方々から称賛の声をもらえたこと。すごいことだったんだなと、声を聞いてあらためて感じているところです。
──シーズンでは、8月に無敗で3勝をマークすると、9、10月は5勝(1敗)、防御率1.71で自身初の月間MVPも獲得しています。疲れもあり、順位争いも熾烈(しれつ)な重圧のかかる時期に、なぜこれだけ活躍できたのでしょうか。
東 後半戦は、精神的な面ではもう正直“気合い”でしたね。身体的なところでは、9、10月に中5日で投げた試合が3試合あったんですけど、登板後にしっかりリカバリーをして、少ない日数の中でも調整ができたこと。それがうまくいった最大の要因です。
──何かきっかけとなった試合はありましたか。
東 間違いなく8月11日の
巨人戦(東京ドーム)ですね。ベンチで・・・
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