法大は東京六大学リーグ戦で、早大と並ぶ最多タイ46度の優勝を誇る。最後に天皇杯を手にしたのは2020年春。つまり、21年春に入学した2人は3年間、V経験がない。高校時代から切磋琢磨し、集大成の7年目は、頂点だけを見据えている。 取材・構成=岡本朋祐 写真=桜井ひとし 
神奈川県川崎市内にある法大川崎総合グラウンド内の大野球場ネット裏の観覧席下で撮影。篠木健太郎[左]と吉鶴翔瑛[右]は先発2人で10勝を挙げ、完全優勝へ導く
3年夏は独自大会優勝
法大は1月9日、新年の練習を開始。14日には必勝祈願を行い、2020年春以来遠ざかるリーグ優勝への決意を示した。V奪還のカギを握るのは「投手力」。4年生投手の2人にかかる期待は大きい。 篠木 入学以降、東京六大学を制していないので、リーグ優勝の思いは強いです。
吉鶴 最終学年で、自分たちが引っ張っていかないといけない自覚があります。
篠木 翔瑛とは今年で7年目になりますが、法政に入学する際に「左右のエースで頑張ろう」と話をしたことがあります。今年は神宮でその形を実現させた上で、2人で大学日本一のタイトルを獲りたい。
吉鶴 「左右のエース」とは、自分も言ってきたこと。昨年12月には健太郎と一緒に侍ジャパン大学代表候補強化合宿(愛媛・松山)に参加し、さらに、高みを目指すきっかけになりました。2人で大学日本代表に入り、そこでも「左右のエース」と言われる活躍をしたいです。
篠木 「大学球界を代表する二枚看板」。それが評価で一番、うれしいことです。
──最初の出会いを教えてください。
吉鶴 高校入学前に説明会があったんですが、そこで話すことはなく……。入部した4月、1年生は早めに引き揚げるんですが、数人がAチームの練習に混ぜてもらい、そこで接する時間が増えました。
篠木 第一印象は「自分を持っているな」と。生活がしっかりしているんです。翔瑛について行けば大丈夫! でした。
吉鶴 健太郎は頭が良いんです。自分たちがスポーツをしている間に、勉強をしていましたから(篠木は野球部員のほとんどが在籍するスポーツコースではなく、特別進学コースに在籍)。物事を客観視できる才能がある。自分が困ったときに質問すると、自分には見えない世界の視点で教えてくれる。何度も助けられました。1年春、自分は野手でベンチ入りしたんですが、シート打撃で健太郎と対戦すると、1球もバットに当たらず、空振り三振。当時からボールが速かったです。
篠木 高校入学前から翔瑛の評判は聞いていましたので、ここは絶対に抑えてやろうと、頑張って投げた記憶があります。
──1年夏の甲子園に出場しました。
吉鶴 千葉県大会は背番号13。投手と一塁手の控えとしてベンチ入りしていました。ただ、結果を残せず、甲子園では2人外れることになっていたので・・・
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