愛知県豊川市を拠点とする東海理化は、12年ぶりに出場した昨年7月の都市対抗で8強に進出し、小野賞を受賞した。ともに若獅子賞を受賞し、打線の原動力となった2人はプロ入りへ意欲を見せる。 取材・文=大平明 スピード光る攻守走の精度
東海理化は昨夏、都市対抗6回目の出場で大会初勝利を挙げると、2回戦も突破して準々決勝進出。大会を通じて活躍した選手、チームが対象の小野賞を受賞した。また、
福本綺羅と
門叶直己は新人賞にあたる若獅子賞を受賞。ともに外野を守るが、打撃のタイプは異なる。
高卒3年目の福本は攻守走の三拍子がそろった左打者。都市対抗では一番に起用され、打率.500(14打数7安打)をマークした。東京ドームで躍動するまでは、自信をなくしていたという。「社会人の投手はキレが良く、高校とはレベルが違っていました。東海理化に入ってから1年半は試合に出場しても三振か内野ゴロしか打てなくて『もうダメかもしれない』と思っていたんです」。躍進のきっかけは12年ぶりの出場を決めた都市対抗予選後の、打撃フォーム修正だった。
「タイミングを取るのが苦手でヒッチしてしまい、上半身と下半身の動きもバラバラだったんですが、タイミングを意識しなくてもバットが出てくるようにステップは足を上げるのではなくシンプルに右足を前へ出すだけ。上半身はリ
ラックスを意識してスイングするようにしたら、しっくりときたんです」
都市対抗本戦を前にしたオープン戦の最初の打席で本塁打。一気に勢いに乗り、全国の舞台でも名をとどろかせることになったのだ。ただ、本人は「若獅子賞を獲ったからと言って、翌年も必ず活躍できるわけではないので」と、この結果にも舞い上がることなく練習に励んできた。
「良くも悪くも当ててしまうところがあって・・・
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