マウンドで仁王立ちするエースは、四番とどういう思いで対峙していたのだろうか。日米で活躍した元エース右腕に、当時の思い出とともに語ってもらった。 取材・構成=椎屋博幸 写真=BBM、Getty Images 
試合の流れを変えてしまう力を四番は持っているというが、四番単体での対戦では、苦い思い出が少ないという岩隈氏
警戒すべきは走者を置いた場面
近鉄と
楽天時代、2000年代ですが、私が投げていたころの四番はそうそうたるメンバーでした。ダイエー・
ソフトバンクには松中(
松中信彦)さん、
西武には
カブレラ。
オリックスでは近鉄時代のチームメートだったローズ(
タフィ・ローズ)。
日本ハムでは
セギノールなどです。やはり一発を警戒して投げていましたね。
そういう強打者にソロ本塁打は打たれていますが、個人的には大事な場面で、打たれたという記憶があまりないんですよね。覚えているのは松中さんに3ランを打たれた場面くらいです(2003年9月17日、2回=大阪ドーム)。打たれた記憶がない理由は、走者を塁に置いてから四番を打席に迎えたときは、その日一番と言っていいほど警戒をして投げていたからです。
やはり、そういう場面で打たれるとチームの雰囲気が一気に変わり、流れを持っていかれますから。そこは最大限に注意をして投げていました。一発で試合の流れを変えてしまう力を持っているのが「四番」。たとえ、走者がいない状況で打たなくても、投手からしたらピンチの場面で打たれるとダメージがすごく大きいです。
個人的な意見で言えば、初回を三者凡退で終わらせて、2回の先頭打者で四番との対決の場面がありますよね。そこで仮に本塁打を打たれてしまっても、あまり気にしないんです。一方で・・・
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