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将来性抜群!! 2024ドラフト特集 注目選手CLOSE-UP【高校生編】

豊川高・モイセエフ・ニキータ(外野手) 新基準バット第1号の衝撃「トリプルスリーを達成して、見ている人を楽しませる選手になりたいです」

 

大舞台になればなるほど燃えるタイプだ。窮地に追い込まれたとしても、確実に仕留めて勝利へと導く。高校生とは思えないスケール感とオーラを放つ超高校級スラッガーだ。
取材・文=志村海 写真=大賀章好

今春のセンバツでインパクトを残した左の強打者は徹底した体づくりで、入学時と比べて体重は約20kg増加した


悔しさが残った試合に


 鋭い眼光と堂々とした体格で存在感を出し、見る者を魅了する高校屈指の左の長距離砲だ。高校通算16本塁打。類(たぐい)まれなパワーから、真芯で放たれた打球は両翼99メートル、中堅122メートルと広い豊川高のグラウンドの外野フェンスを軽々と越える。バットコントロールも持ち合わせ、広角に打ち分ける。守備でも強肩を披露し、走塁では50メートル走6秒2の俊足で積極的に次の塁を狙う。モイセエフ・ニキータはこの春、強烈なインパクトを残した。

 今春のセンバツから従来使用されていた金属バットよりも飛ばない、とされた低反発の新基準バットが導入。大会全体で3本塁打(うち1本はランニング本塁打)に終わる中、第1号を放ったのがモイセエフだった。阿南光高との1回戦、8回裏の第4打席で大会屈指の好投手・吉岡暖の高めに浮いたフォークを強振すると、右翼ポール際にたたき込んだ。

「全然狙ったわけではなくて、2ストライクと追い込まれていましたし、何とか食らいついて後ろにつなぐことだけを考えていました。甘いところに来たので、うまく反応できました」と振り返る。

 だが、チームは序盤の大量失点が響き初戦敗退(4対11)。モイセエフ自身もそれ以外の4打席では3三振と右飛に終わり「吉岡投手の真っすぐはキレがあってフォークも低めに落ちていました。うまく見極めて対応することができませんでした。緊張で体が固くなり守備でもミスをしましたし、まだまだレベルアップしなければいけないと思いました」と悔しさをにじませた。

努力で変えた体格


 ロシア人の両親の間に、4人兄弟の次男として生まれた。日本で生まれ育ったため・・・

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