強力クリーンアップの一角が見せるのは、頼もしい打撃だけではない。誰よりも野球をエンジョイしながら、チームの勝利に広がる笑顔。今日も若い選手たちに負けず、ただ一生懸命にプレーする。 取材・文=菅原梨恵 写真=湯浅芳昭 勝てば何でもいい
人の表情は、時に言葉よりも雄弁だ。開幕からの1カ月を振り返ったとき、柳田悠岐は現状を肯定はしなかった。
「ケガなくここまで来られているので、そこはいいかなと思いますね。バッティングの状態については、可もなく不可もなく。いいときもあれば、悪いときもあるので」 そうは言っても、3、4月は全26試合に出場してリーグトップの打率.323、出塁率.462。同トップタイの30安打、同2位の22打点を挙げた。7本の殊勲安打を放つなど勝負強い打撃で打線をけん引し、月間MVPを獲得している。
「たまたまじゃないですか。いや、本当に、本当に(笑)。いいときもあれば、悪いときもあるので」 言葉自体は変わらないものの、ここまで終始、にこやかな受け答え。向けられた笑顔に、好調さがにじむ。
小久保裕紀監督は、三番・柳田、四番・
山川穂高、五番・
近藤健介については開幕から一度も打順を変えることなく来ている(5月16日現在)。昨季も柳田、近藤のコンビネーションは見事だった。今季はそこに山川が加わり、強力なクリーンアップを形成している。3人のバランスというところを、柳田自身はどう見ているのだろうか。
「バランスですか? いいと思いますよ」 続く言葉に2選手へのリスペクトが伝わってくる。
「それぞれに役割というところを理解していますし、やっぱり・・・
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