今年も気づけば、広島が首位に立っている。他球団と比べ、戦力が充実しているわけではない。圧倒的な強さを誇っているわけでもない。ただ、昨季同様に、着実に勝利を積み重ねている。なぜ、広島は勝てるのか――。特集を始めるにあたって、その“疑問”に迫ったとき、就任2年目を迎えた新井貴浩監督の確かな考えに基づいてチームが構築されていると、あらためて感じさせられた。 文=前原淳 写真=井沢雄一郎 ※成績・情報は6月16日現在 ![](https://cdn.findfriends.jp/img.sp.baseball/show_img.php?id=97778&contents_id=p_page_001)
選手の活躍を、指揮官が一番に喜んでいる
矛よりも盾を強化
今年の広島もしぶとい。昨季5年ぶりAクラスとなる2位に入っても、開幕前の評論家による順位予想は下位予想ばかりだった。それでも6月16日時点で、堂々の首位だ。2022年まで3シーズン連続最下位だった交流戦でも、
ソフトバンク以外の5球団に勝ち越すなど10勝8敗と、パ・リーグ相手にも五分以上に渡り合った。
広島野球に、派手さはない。チーム打率.240はリーグ2位も、185得点は同3位タイ、26本塁打は同ワーストと際立つ数字は残せていない。オールスターゲームのファン投票の中間発表で選出圏内の選手が1人もいないことからも、飛び抜けた“個”がいるわけでもないことは明らかだ。なのに、どうして――。
広島の場合は“個”ではなく“束”となって勝利をたぐり寄せている。与えられた戦力をまとめ、選手の力を最大限に引き出しているのが、就任2年目の新井貴浩監督だ。
昨オフに中軸の
西川龍馬がFAで
オリックスへ移籍し・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン