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2024ドラフト特集

プロへの「登竜門」 侍ジャパン大学代表は「即戦力」「逸材」の宝庫

 

2024年の侍ジャパン大学代表は第43回プラハ・ベースボールウィーク2024(7月6〜9日、チェコ)と第31回ハーレム・ベースボールウィーク2024(同12〜19日、オランダ)に出場している。3、4年生で編成される代表24人は、いずれもドラフト候補だ。今秋の指名対象選手である有力4年生に焦点を当ててみる。
写真=矢野寿明

愛知工大・中村[右]と青学大・西川[左]は今年3月の侍ジャパントップチームに招集された実力者だ


公務員志望からドラ1候補


 最も目立ったのは愛知工大の159キロ右腕・中村優斗(4年・諫早農高)である。3月には井端弘和監督が率いるトップチームに招集され、欧州代表との強化試合第2戦では1回を無失点に抑えた。代表候補選考合宿の紅白戦では最速154キロと異次元の投球を披露。「トップチームを経験して、大学代表に入れないということだけは避けたかったので、入れてうれしい半面、自分が引っ張っていかないといけない。直前合宿では、常に周りを意識しながら練習していました」。堀井哲也監督(慶大監督)からはストッパー構想が告げられておりU-23代表候補との練習試合(7月1日)では、国際大会の使用球に対応する中、9回の1イニングを無失点で、トラックマンでは156キロ(球場表示は154キロ)を掲示。翌日はタイブレークの練習(10回)で登板し、球場表示で157キロと順応性を見せた。

 高校時代は就職を見据え、農業土木科に在籍し、将来は公務員を見据えていた。愛知工大・平井光親監督(元ロッテほか)から素質を認められ、大学で努力を重ね、ドラフト1位候補に浮上。中村の原動力は探求心、向上心に尽きる。入学から4年後の姿を、想像していたのか――。

「まったく想像できなかったんですけど、大学に入った段階で、自分の中でプロへ行くために選んだ道と決めていました。今、大学日本代表に入れてうれしい一方で、夢をかなえたい。心の中にあります。ドラフト1位で行きたい思いが強いので、今回の遠征、秋のリーグ戦、ドラフトまで自分の最大限のパフォーマンスを出せるようにやっていきたいです」

代表漏れもNPBの評価不変


 2024年のドラフト戦線を見渡すと、明大の遊撃手・宗山塁(4年・広陵高)が「超目玉」と言われ、関大の153キロ左腕・金丸夢斗(4年・神港橘高)が「大学NO.1左腕」と評価。愛知工大・中村、青学大・西川史礁(4年・龍谷大平安高)を含め、3月の強化試合に招集された4人が「1位候補」を確立している。ところが、明大・宗山は今春のリーグ戦からの「上半身のコンディション不良」で、代表候補から外れた。関大・金丸は選考合宿のメンバーに入ったものの、コンディション不良により辞退。宗山、金丸ともプロからの評価は不変。むしろ、NPBスカウトの誰もが、体調を最優先にしてほしいとの声が圧倒的に多い。

 青学大・西川のほか・・・

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