2歳上の兄・秀俊は2023年ドラフト4位で阪神に入団。弟は野球を始めて以来、小、中、高と同じ道を歩んでいる。プロ入りが目標だが、今夏は“別ルート”に進むため、レベルアップに努めてきた。 取材・文=岡本朋祐 ※情報は7月4日現在 
187cm92kgと堂々とした体格。元プロ投手の芝草監督の下で、じっくり育成された。この春を通じて先発完投能力を身に付け、頼もしい存在だ
2年前の夏は兄弟リレーで勝利
目に焼き付いた光景がある。2022年7月28日、日本文理高との新潟大会決勝。帝京長岡高のエース右腕・
茨木秀俊は11回裏二死一、三塁からの142球目を、右中間へ運ばれた。1対2でサヨナラ負けを喫し、初の甲子園出場を逃した。「一塁ブルペンで準備していたんです。打球を見つめている兄のあの表情を、忘れることはできません」。当時1年生の弟・佑太は背番号11を着けていた。佐渡高との3回戦では先発で4回1失点の兄の後を受け、二番手の弟が3回無失点の兄弟リレー(7回
コールド勝利)。「良い経験になりました」。常に背中を追いかけてきた。
「兄弟げんか? したことはありません。優しいので……。自分のわがままも受け入れてくれていました(苦笑)」
虻田高でプレーした父・幸雄さんの下で「物心がついたころには兄と3人で、早朝から公園で野球をしていました。自宅の車庫でもティー打撃。生活の一部でした」と振り返る。小、中学と同じチームでプレー。高校進学も当然のように北海道から離れ、新潟での生活を決意した。
「長くプロ野球を経験してきた芝草(
芝草宇宙)監督の存在が大きいです。プロに行くには、一番近い学校だと思いました」
兄が高校野球を終えた1年秋以降、弟が帝京長岡高の背番号1を着けている。芝草監督は地道なトレーニングで基礎体力をつけさせ、登板間隔も空ける方針がある。「兄と違って・・・
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