NPB通算200勝以上を挙げた左腕投手は現在7人。インタビューした歴代4位の工藤公康氏、先に紹介した歴代1位の金田正一、歴代7位の江夏豊以外の4人を、ここでは一気に紹介しよう。 文=落合修一[編集部] 鈴木啓示(近鉄) 「近鉄の鈴木」はオンリーワン
左腕勝利数歴代2位 317勝 703試合/317勝238敗2S/防御率3.11
我が強い人だったと言われる。同じチームに
鈴木康二朗という同姓の選手が入団し、スコアボードや新聞などの鈴木康二朗の表記が「鈴木康」となっても鈴木啓示は「鈴木啓」を拒否し、「近鉄の鈴木はワシ1人や。ワシは『鈴木』だけでええやろ」と主張したらしい。
それだけの実績を残したのだから、無理もない。高卒2年目(1967年)から5年連続20勝で、プロ6年目の71年4月10日の
ロッテ戦(東京)で早くも通算100勝を達成。その時点で満23歳である。シーズン20勝は計8回。リーグ最多奪三振も8回。パ・リーグ史上最高の左腕だったことは論を待たない。プライドが高くて当然である。
阪急を強豪チームに育てた
西本幸雄監督が74年、近鉄の監督に就任。鈴木もちょうど投手としての変換期を迎え、速球派から技巧派へのモデルチェンジが必要になった。それは成功して77年から2年連続20勝以上で最多勝、78年には2.02で最優秀防御率賞を獲得したが・・・
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