混戦が続いているセ・リーグの優勝争いは、巨人が9月18日にマジック9を点灯させた。背後に迫る2位・阪神とともに残り試合は10を切っている。CS争いにもフォーカスしつつある3位・DeNA、4位・広島含め最後の1試合まで各球団の思惑は交差し続ける。 ※成績、情報は9月22日時点 開幕カードでもぶつかっていた巨人・阿部監督[右]と阪神・岡田監督。シーズン最終盤に再び相まみえた
Gの臨機応変な運用 宣言どおり「総力戦」に
重要なのはシーズン終盤。143試合の積み重ねがペナントレースの結果でも、多くの指揮官がその意識を口にするのは、9月22日からの阪神対巨人(甲子園)2連戦のようなシーズンの行方を左右するカードを見据えているからだ。実際、各指揮官は最終盤の戦いに向け想定、対策を早い段階から行ってきた。
巨人・
阿部慎之助監督は、勝負の9月を前にミーティングでナインへ「総力戦で行こう!」と呼び掛けた。シーズン序盤から首位戦線に食らいつき、6月には一時4位に転落しても指揮官が泰然自若としていたのは、ハナから勝負は9月と見据えていたからこそなのだろう。
言葉は当然、実行に移された。首位を争っていた広島との9月10日からの3連戦。鬼門・マツダ広島での決戦を前に先発ローテを再編し、
菅野智之、F.
グリフィン、
戸郷翔征の三枚看板で3連勝を果たしてライバルを蹴落とした。
指揮官の覚悟が表れたのは初戦だった。5回、わずか57球で余力を残していた菅野を降板させた。3対0という決してセーフティーリードとは言えない中での思い切った決断は、「それも見据えて」と背番号18に中4日でフル回転してもらうための布石だった。リリーフ陣も同様だ。3連投の解禁や守護神・
大勢の回またぎを示唆していたが、12日の広島戦では3対0の8回二死一、二塁で大勢を投入。勝利への執念と「総力戦」の意味を体現してみせた。
それだけではない。臨機応変、戦略の切り替えも速かった。ライバルが阪神へと移り変わる中、9月17日のオフを挟み先発ローテを再々編。20日からのマツダ広島での広島2連戦に中4日または5日で投入予定だった菅野を、直後の甲子園での阪神戦初戦にスライドさせ、18日のDeNA戦(東京ドーム)で先発したF.グリフィンを中4日で阪神との第2戦へと配置を組み替えた。阿部監督は菅野の起用法について「そこ(阪神戦)でしょ。そこしかないでしょ」と言葉に力を込めた。
18日のDeNA戦で・・・
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