「勝利と育成」という相反する命題を、鮮やかにクリアした。それでもいまだ発展途上、4年ぶりの優勝を通過点にさらなる高みを目指す。 インタビュー後、選手たちを呼び寄せ、バンザイでファンに感謝の気持ちを伝える阿部監督
難題を鮮やかにクリアしてみせた。就任1年目の指揮官に課せられたのは、球団創設90周年のメモリアルイヤーにおけるV奪回、同時に若手の育成を加速させること。「勝利と育成」の両輪は、伝統球団が“常勝”たりえてきた礎でもある。主軸の不振を逆手にとるように野手では
門脇誠、
浅野翔吾、投手では
井上温大といった若手を独り立ちに導き、同時に戦力として機能させることで4年ぶりのリーグ優勝に導いた手腕は見事というほかない。それでも、「まだまだ発展途上。僕自身も指導者として、まだまだ、もっと素晴らしいチームになることを目指している」と口にする。「夢の中にいるよう」と振り返った胴上げと涙も、あの日限りのもの。目指す頂は、はるか高みにある。