2年生の5月末に自己最速153キロを計測した。NPBスカウトは、すでに潜在能力の高さをチェック済み。一冬を越え、さらにスケールアップが期待されている。 取材・文=岡本朋祐 写真=上野弘明 
学校、野球部寮、グラウンド、室内練習場、ウエート・ルームが同敷地内にある恵まれた環境面に惹かれたのが、延岡学園高へ進学した理由である
プロ入りで恩返し
長い冬に入った。延岡学園高は宮崎県大会3回戦(対富島高、9月29日)で敗退し、来春のセンバツ甲子園出場は絶望的となった。153キロ右腕・藤川敦也はグラウンドに隣接している室内練習場の入口付近で、体幹強化に励んでいる。
「投球の基盤となる、体づくりをしていきたい。自分自身、この期間は楽しみなんです。どれだけ成長できるか……。来春には155キロに更新していきたい。体重管理、ウエート・トレーニングに力を入れ、9回を投げ切り、勝てる投手を意識しています。トレーニングの成果がチームとしての結果につながり、実績がついてくれば(ドラフトでの)評価も上がる」
ドラフト順位の希望を聞くと「支配下で行きたいです」と、自嘲気味に話した。ただ、胸の内では「1位で行きたいですが、欲を言えば3位以内でしょうか……」と明かすが、自身のレベルアップが最優先。最速153キロを誇る「プロ注目の好投手」ではあるが、オフシーズンを経て「真のエース」になることを見据える。
名前の「敦也」はレジェンド捕手・
古田敦也氏(元
ヤクルト)に由来する。
「親が古田さんのファンでした。プレーヤーとしてはもちろんですが、グラウンド外ではプロ野球選手会会長、選手兼任監督も務め、人格も素晴らしいです」
父・真一さんは、東海大五高(現東海大福岡高)の右腕エースとして活躍した。「幼少時から野球を教わっていました。『球速よりも、コントロール』。今もこの言葉を大切しています」。小学4年時に父・真一さんは・・・
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