新しいスタートラインに立った123人の選手たち。奮い立つ第一歩だ。その中で最高評価となった選ばれしドライチ12人をクローズアップ。 取材・文=小中翔太 写真=宮原和也 
宗山塁とともに今年のドラフトの目玉だった金丸。パ・リーグからの指名はなく、セ・リーグ4球団が集中し、中日が交渉権を獲得した
ケガをプラスに捉え積み重ねを大事に
アマチュア最強左腕も高校まではほぼ無名の選手で、大学入学時は球が速いだけの投手だった。自分に何が足りなくて何が必要なのか。金丸夢斗は自主性を重んじる関大の雰囲気の中でしっかりと向き合い練習に取り組んだ。その姿に、小田洋一監督は成長の兆しを感じ取っていた。
「入学当初から主体的に行動できますし、考え方が謙虚でしたので、この子は伸びるなという印象は持っていました」
ただ、成長速度と成長度合いは想像をはるかに超えるものだった。最速は154キロで常時でも140キロ台後半を計測する。与四球は1試合に1個ペースと自滅の心配はまったくなく、ウイニングショットのスプリットをはじめ、どの球種もカウント球にも勝負球にもなり得る。2年春から3年秋まで18連勝を記録し、通算成績は20勝3敗で防御率は0.83。4年時は3月に侍ジャパントップチームのメンバーに選ばれると、プロのトップ選手と遜色ない圧巻の投球を披露した。
リーグ戦では故障に苦しみながらも春秋ともに防御率は0.00。3年秋の途中から72回連続自責点なしのまま大学野球生活を駆け抜けた。
「点を取られないということがピッチャーに一番必要なことなので・・・
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