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DeNA日本一 あなたがいたから

<Column>DeNA・「成り上がり」を新時代の幕開けに

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敗れ続けた歴史を見てきたからこそ――。「4522敗の記憶」を代表著書に持つ40年来のファン、村瀬秀信氏がDeNAの足跡をたどり、日本一の「悦び」と未来を記す。
文=村瀬秀信


 ベイスターズが日本シリーズを制した。26年ぶり。セ・リーグ3位、CSで一番下からの勝ち上がりは矢沢永吉を信奉する三浦大輔にあやかり「成り上がり」と呼ぶにふさわしい。もちろん、ペナントを制していないとか、アドバンテージ2個つけろとか、意見があることは承知してはいる。だがそれでも、最強のホークスを倒しての、やっと到達できた「横浜優勝」という成果なのである。4649。……ではなくて5369。それだけ負け続けてきた。12球団で最多となる負け数、さらに「ペナント優勝は2回なのに、日本一は3回」という独特すぎる奇跡をやってのけることも、この球団に長く横たわっていた負けの歴史があったからにほかならない。

 前回優勝の1998年は38年ぶり2回目の優勝だった。筆者は初優勝の悦びに夢心地で「長かったね」なんて知ったような顔をしていたが、俺は何も知らなかった。あれはファンになって15年目のこと。38年の辛苦がとんでもない長さだということを実感したのはつい最近である。26年目となる今年の秋も、まだ干支一周分あるのかよと数えて絶望していたのだから。

 優勝しなければ戦争は終わらない。日本一にならなければ暗黒は終わったと言えない。そう言い続けてきた。永遠に続くとも思えた2000年代後半からの低迷期は今更言うまでもないが、その後、毎年のようにAクラスに入りながら、あと一歩、その先が破れなかった時代も苦しかった。

 12年、DeNAがやってきて以来、ベイスターズは飛躍的に成長を遂げた。チーム再建を任された中畑清は・・・

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