1948年に青田昇(巨人)が記録したシーズン391刺殺。外野手の最多記録として長く動かなかった数字は今季、楽天・辰己涼介によって76年ぶりに塗り替えられた。4年連続ゴールデン・グラブ賞の守備職人による偉業は、何によってもたらされたのか。要因を探っていく。 
連盟特別表彰されたNPB AWARDSでは刺殺にちなんで切り裂きジャックのコスプレ姿で登壇
打撃開花で出番増
守備記録の一つである『刺殺』。これは直接捕球してアウトにした選手につく記録である。例えば、二塁手がゴロを捕球し一塁送球で打者走者がアウトとなった場合、『刺殺』は一塁手に記録される。二塁手につくのが『補殺』だ。併殺打や挟殺プレーの関与が生まれにくい外野手にとって、『刺殺』はほとんどが飛球を捕球した数としてカウントできる。
プロ野球記録の外野手シーズン397刺殺はなぜ生まれたのか。まず、当事者である辰己涼介の年度別の守備成績
【表1】を見よう。
2022年から中堅のみの出場なのだが、今季は自身初の全試合出場。1269回2/3で守備に就いた。出場イニングの増加をもたらしたのは打撃の成長も大きい。リーグ最多安打を初受賞するなど、打撃の開花で不動の中堅手となった。なお、22年以降、中堅手で1000イニング以上守備に就いたのは、パ・リーグでは辰己ただ一人。タフネスぶりも記録更新の要因と言えるだろう。
397刺殺のすごみは比較してこそ浮き上がるもの。今季の外野手刺殺数トップ10をまとめたのが・・・
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