これまで歴代61人のプロ野球選手を輩出してきた東北福祉大。全国トップクラスのレベルを誇る名門校に好投手がいる。直球は軽々と150キロを突破も、魅力はそれだけにあらず。新たなポジションでの活躍も目指し、鍛錬を積んでいる。評価を確固たるものにするためにも、目指すは勝てる投手だ。 取材・文=小林篤 写真=小林篤(インタビュー)、BBM 
地元・埼玉を離れ仙台へ。東北福祉大は花咲徳栄高時代の恩師・岩井隆監督の母校だ
スピードだけではない球質に自信を得た昨秋
「120~150球を週2~3回です。冬にどれだけ投げられたかが大事になってくると思います」
本格的な寒さが身に染みる真冬の仙台。室内練習場のブルペンで腕を振るのは東北福祉大の
堀越啓太だ。左足を高々と上げ、勢いよくスリークオーターから投じる直球は最速157キロ。遠投125メートルの強肩を持ち、2年冬にはトレーニング施設にて164キロを計測しこともある。
身長184cm、体重95kgと恵まれた体格を持つ剛腕。大学入学以降は主に救援を任されてきた。自身の投球について「細かいコントロールがない」と冷静に分析しながら、投球スタイルについてはこう続ける。「その面で見ると、
大谷翔平選手(ドジャース)が目指すべき場所かなと。自分も強い真っすぐ、変化球をゾーンに投げ込んで勝負するタイプだと思います」と尊敬する人物にも挙げる『世界の二刀流』の投球術をお手本とする。
球速という数値ばかりがクローズアップされるが、中身も着実に進化を遂げている。球質に変化を感じたと振り返るのが昨秋のことだ。「秋まではただ速いというか、バットによく当てられていたのですが、空振りが取れる割合が高くなってきました。スピードに加えて球威や、質もある真っすぐになったのかな」と手応えを口にする。では、なぜ球質が良くなったのか。堀越は2つの理由を挙げた。
まずは・・・
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