「この選手の番号は昔、あの選手が着けていたんだ」――。本来は単なる数字に過ぎない背番号というものに、なぜ野球ファンは「物語」を感じるのだろう。大相撲や落語のように師匠へと弟子入りし、名前の継承があるわけではない球界において、唯一それに近い「伝承」の役割を果たすのが背番号だからなのかもしれない。そして永久欠番は、大相撲や落語における「止め名」(栄誉をたたえ、その名前を継承させないこと)みたいなものだと言える。それほど、背番号には意味が込められている。ここでは現在の12球団から各1人、「新しい背番号でのスタート」に臨んでいる人物をピックアップ。それぞれの新背番号に込められている気持ちを、浮き彫りにしてみよう。 ※「2025年の新背番号」の情報は2月6日時点。育成を除く 
新たな番号を背に今春キャンプで鍛錬を積む
エースの背中で輝く。2023年まで
山本由伸(現ドジャース)が着けた番号は、同年オフに右腕が海を渡ると空き番に。昨季終了後、
宮城大弥が「いろんなスターが着けていた番号。志願したというか」と変更を申し出た。昨季はプロ入り初の故障離脱もあって、規定投球回に1回1/3届かず。2ケタ勝利も3年連続で止まり、チームの連覇も3で途絶えた。無念のシーズン後に変更した背番号にチームを背負う覚悟がにじむ。
山本に・・・
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