「この選手の番号は昔、あの選手が着けていたんだ」――。本来は単なる数字に過ぎない背番号というものに、なぜ野球ファンは「物語」を感じるのだろう。大相撲や落語のように師匠へと弟子入りし、名前の継承があるわけではない球界において、唯一それに近い「伝承」の役割を果たすのが背番号だからなのかもしれない。そして永久欠番は、大相撲や落語における「止め名」(栄誉をたたえ、その名前を継承させないこと)みたいなものだと言える。それほど、背番号には意味が込められている。ここでは現在の12球団から各1人、「新しい背番号でのスタート」に臨んでいる人物をピックアップ。それぞれの新背番号に込められている気持ちを、浮き彫りにしてみよう。 ※「2025年の新背番号」の情報は2月6日時点。育成を除く 
新たな背番号で迎えた春季キャンプでは、積極的に周囲に声を掛ける姿も
昨季は遊撃の定位置をつかみ、ゴールデン・グラブ賞を初受賞。前年の契約更改の席で「球団が認める成績を出せたら4番が欲しい」と伝えていた
矢野雅哉が、文句なしの評価を受けた。特に意識するのは、現役時代の2010年から11年間、この番号を背負った
小窪哲也打撃コーチだという。「選手会長もして、チームの中心選手だった。僕もいずれは、そういうふうになりたい」と決意を口にする。
過去には、黄金期を支えた・・・
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