新戦力の加入もありチームが変化する中で、二塁のポジションだけは不動と言っていい。30歳という節目で迎える今季、巨人軍をけん引する1人として、内に秘めたる覚悟と責任感は増している。 取材・構成=杉浦多夢 写真=兼村竜介、桜井ひとし、宮原和也 ※年齢は2025年の満年齢 打撃の再現性
ケガに泣かされ続けて思うようにポテンシャルを発揮できなかった姿は、もうない。昨季は全143試合に出場してベストナインとゴールデン・グラブ賞を受賞。キャリアハイと言える充実のシーズンを過ごして4年ぶりのリーグVに貢献した。それでも、「結果はあとからついてくるもの」という思いは変わらない。 ──昨季は素晴らしい活躍でリーグ優勝に貢献しました。
吉川 自分自身のことというより、まずはリーグ優勝できたことが一番うれしかったですね。そこを目標にしてずっとやってきていましたから。
──チームの力になれたという手応えもあるのではないでしょうか。
吉川 前回リーグ優勝した2020年は途中交代も多かったですし、あんまり力になれたという実感がなかったんです。昨年は最後にケガをしてしまいましたが、1年を通してチームに少しは貢献できたかなと思えたので、その上で優勝の輪の中に入ることができてよかったかなと思います。
──打撃面に関しては何かつかめたものがあったのでしょうか。
吉川 この数年かけて、少しずつ少しずつ良くなってきている感じです。何かのきっかけで突然、良くなるものではないですから。それを継続して、少しでも調子の波が少なくできるようにということを考えながら取り組んでいます。そういう意味では昨年やっていたことを、今年もしっかりやっていくことが大切です。
──技術的な部分でのアプローチの変化はありますか。
吉川 これから実戦が増えていって、シーズンに入っていけば技術的に対応しなければならないことやアプローチの仕方を考えることが多くなっていくと思います。その日の状態によって打撃のアプローチは変わっていきますし、いいアプローチができるように、そのための土台をつくる時期なので、今はまず振ることをテーマに練習に取り組んでいます。それがあってのシーズンですから。
──春季キャンプでは室内で黙々と打ち続ける姿が印象的でした。ある日はひたすら逆方向の同じコースに打ち返し続けていました。
吉川 強く振って、なおかつしっかりコンタクトするというベースは変わりません。ホームランがポンポンと出るバッターではないですし、何とか塁に出て、ということを常に意識しています。そうなると・・・
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