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捲土重来 反撃のツバメ軍団

ヤクルト・茂木栄五郎インタビュー 自然体で臨む「1年間ずっと一軍にいて、優勝の戦力になることしか考えていない」

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停滞するチームが上昇気流に乗るために欠かせないのは新戦力。強力打線には、球団10年ぶりとなるFA加入選手が加わった。杜の都・仙台を離れる決断を下し、新天地で迎えたプロ10年目。再起を図る思いは強く、肩には力が入るが脱力を意識して──。優勝のピースとなることだけを考えて、バットを振っていく。
取材・構成=小林篤 写真=兼村竜介、宮原和也、矢野寿明
※年齢は2025年の満年齢

昨季の代打成績は12安打、打率.480と勝負強さは健在。セ・リーグを舞台に再起を図る[写真=兼村竜介]


打撃は左手に注目


 楽天では在籍9年間で3度のシーズン2ケタ本塁打を記録。思い切りの良いスイングは健在で、沖縄・浦添での春季キャンプではフリー打撃でサク越えを連発した。オールドスタイルの着こなしで内野グラウンドを駆け回り、声を張り上げ元気良く過ごした1カ月はケガなく完走。チームにもすでに溶け込んでいる。

──新天地でのキャンプは、練習以外でも疲れることがあったのではないですか。

茂木 そうですね。新しい環境、ほとんどの方が初めましての状況で、覚えることもたくさんあって。自分のことも知ってもらわなくちゃいけないので、ルーキーのころを思い出したような気疲れはありますね。

──そんな中でもプレーではバットのスイング、守備の動きを見ても体のキレがあるように見えました。

茂木 若いころを想像してしまうので「もっと動けたな」とか「もっと楽にバッティングができていたな」ってすごく感じるんですけど……。でも、ここ3年間に比べたら、本当にいい動きはできているなとは感じています。

──悔しい結果に終わったという3年間ですが、その原因はどこにあったのでしょうか。

茂木 なんですかね……。打てなくなったことは、自分の長所が出せなくなったことなので、そこから何をするにしても思うようにいかなかったり、体も動かなくなったりはありました。2021年のオフに腰の手術を受けたんですけど、患部の問題はなくプレーできていても、どこか思い切りがなくなったり、動きにキレがなかったりは少し感じる部分もあるので。そういった部分がかみ合わずに、この3年間はいいパフォーマンスができなかったのかなと感じています。

──動きの部分で、チームメートをはじめ周囲からの声はどうですか。

茂木 お世辞なのかもしれないですが、自分で感じているよりも、周りの方から言われる評価が高いなとはすごく思っています。ただ、もっとできると感じていますし、環境にも慣れて自然と力が抜ければもっといいパフォーマンスができるんじゃないかなという期待はあります。

──力を抜くというのはプレーにおいて大事な要素になってくるのですね。

茂木 なかなかできてはいないんですけど、力を抜くことはすごく意識していますね。守備ならガッチリ行き過ぎてしまったり、打撃なら打つ前に力んでしまってバットが出なかったり。どうしても力が入ると、イメージとのズレが生まれてしまうんです。まだ実戦ではそれが出ているので、もっと力を抜いて『自然体』でできればと思います。ただ・・・

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