エースと司令塔としてチームをけん引しながら、お互いの存在を励みに着実にレベルアップしてきた。ともに侍ジャパン日本代表入りを果たし、大学球界屈指のバッテリーとしてラストイヤーを迎える。 取材・文=中野聖己 写真=矢野寿明 
お互いの性格も理解している気心の知れた同級生。今年も明大からプロが誕生しそうだ
秘めた闘志を胸に
2024年までに史上最長の15年連続ドラフト指名選手を輩出している明大から支配下のバッテリー指名となれば、15年の
上原健太(
日本ハム1位)と
坂本誠志郎(
阪神2位)以来10年ぶりとなる。明大のエース番号「11」を託された
高須大雅と、副将で司令塔の
小島大河は、そろって上位指名が予想される大学球界屈指のバッテリーだ。
2人には明確なストロングポイントがある。193cmの大型右腕・高須は、コントロールがつきにくいとされがちな長身投手でありながら、抜群の制球力を誇る。小島はバッティングに秀でた左打ちの捕手。それぞれの持ち味は、いくつかの運命に導かれて培われていった。
大学生になった今も伸びているという高須の身長は現在193cm。中学までは野球、高校ではサッカー選手だった父・俊孝さんと元バスケットボール選手だった母・理恵さんのDNAを受け継いでいるが、意外にも小学6年生のときは158cmと小柄な投手だった。「小さかったんで、コントロールで生きていくしかなかった」と、小学生時代に制球力をつけることを徹底的に指導された経験が、今に生きている。
軟式の強豪私学である地元の磐田東中に進学を決めたのも、「体が小さくて、硬式より軟式をやったほうがいいんじゃないか」と両親に勧められたから。
ところが、この中学3年間で身長は驚異の伸び幅を見せる。27cm伸びて185cmに。2学年上の
齋藤來音(慶大→明治安田)と出会い、尊敬する先輩のあとを追って、県下屈指の名門・静岡高へ進学すると、さらに190cmを超えた。
静岡高では2年秋からエースとなり・・・
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