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阪神タイガース特集 猛虎二遊間列伝

【現役プレーヤーの矜持】阪神・木浪聖也インタビュー 競争での成長を糧に「しっかりした守備があったからこそ強いチームが出来上がる」

 

阪神は伝統球団ながら、日本一は1985、2023年のみ。過去に多くの名遊撃手を輩出してきたタイガースで、23年にレギュラーをつかみ、球団史上2度目となる「頂」の景色を見た数少ないV戦士だ。今季、初のリーグ連覇を狙う常勝軍団で、激しいチーム内競争の最中にいる。もう一度、定位置を奪取し、3度目の頂点を目指す。
取材・構成=椎屋博幸 写真=宮原和也、牛島寿人

阪神・木浪聖也[内野手]


キーワードは「併殺」


 2023年、岡田彰布新監督は、正遊撃手だった中野拓夢を二塁へコンバート。肩の強い木浪聖也と小幡竜平で遊撃の座を争わせた。その結果、木浪が打撃と安定感のある守備でその座をつかんだ。岡田監督の方針は「多くのダブルプレーを獲ること」だった。その使命を受け、22年の秋季安芸キャンプから、コンビネーションを徹底的に積んでいった。

──2023年に遊撃手のレギュラーとなります。それまでも19年に入団し、レギュラーをつかむ機会はありました。

木浪 今思えば、すごいタイミングでプロに入ったなと。当時は絶対的な存在の鳥谷(鳥谷敬)さんというスターがいて、同級生の北條(北條史也=現三菱重工West)や糸原(糸原健斗)さんなど。そして入団した年から矢野(矢野燿大)監督で、出場機会を与えられて……当時はとにかく必死にやっていたという感覚しかないです。

──新人で遊撃手として開幕スタメンをつかみました。

木浪 いろいろと失敗して落ち込んで。良かったら喜んで、喜怒哀楽の激しい2、3年だったかなあ、と思いますね。そこでさまざまな経験をして、考え方も変化してきましたね。

──その考え方に変化が出てきたときに、岡田(岡田彰布)監督が就任しました。

木浪 僕が3年目のころには中野(中野拓夢)がショートのレギュラーになっていました。もうこれはダメかな、と。だから本気で二塁で頑張っていこうと思っていたんです(笑)。

──その気持ちの中で岡田監督就任直後の高知・安芸の秋季キャンプを迎えます。

木浪 中野を二塁に持っていくということを岡田さんが言っていて……コーチから聞き、新聞などで読んだりして「そうなんだ」と(笑)。それで僕自身もそれならショート1本で頑張ろうかなと。でも、中野が二塁固定なら、ショートの競争が起こるな、とは思っていました。

──中野選手と併殺プレーで息を合わせるのは難しかったですか。

木浪 秋の安芸キャンプに行ったときに、本球場下の方にあるサブグラウンドで、中野とゲッツーの練習を繰り返しましたね。「ゲッツーの数を増やしていく」という方針にもなっていたので。

──お互いにどのあたりに送球を投げてほしいという話をしながらですか?

木浪 しましたね、そういうことも。でも・・・

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