大学卒業後にアメリカでスポーツ医学を学び、世界各地でトレーニングを指導してきた住田ワタリ氏。そんな同氏が昨年12月にフィリピンを訪れ、野球教室を開催した。国外の野球事情を知れば、現在の日本、そして世界における野球の姿も見えてくる。全3回の集中連載で、現地の様子をリポートしていく。 文・写真=住田ワタリ 構成=吉見淳司 
WBCにはフィリピン代表として参加した小川選手は現地でも大人気
ボーディングブリッジの隙間から漏れる亜熱帯独特の南風を受け、ダウンジャケットを脱ぎ捨てた。ここ数年、オフに「野球教室」を行うためにアジア諸国に出向いている。今年訪れたのは常夏のフィリピン・マニラ。集結した講師陣を見渡すと、NPBから
小川龍也選手(
中日)、秋田佳紀コンディショニングコーチ(
楽天)、元
ヤクルトの
木下達生氏に加え、インドネシア、ネパール、イランの代表監督とスリランカ野球に携わったプロ、OB、アマとさまざまな日本人たちが同行している。
マニラ市内の高層ビルの間にたたずむリザールメモリアル球場。建造から80年たった今なお現役を続けている。そこが今回の野球教室の舞台だ。手動式のスコアボードは伝統と格式を放ち、右翼と左翼には同球場で記録された本塁打の打者名が書かれている。第1号は1934年のルー・ゲーリック、第2号(同年)はベーブ・ルースと、球界のレジェンドたちの名が刻まれている。

野球教室の会場となったリザールメモリアル球場
ベーブ・ルースの下には
岩村明憲氏・・・
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