その才能に疑いの余地はない。森雄大、20歳。昨年は高卒2年目でプロ初勝利をマークし、1歳年下の松井裕樹との若手左腕コンビとしてチームに新風を吹き込んだ。結果的に2勝止まりだったものの、鮮烈なピッチングは楽天の明るい未来を予感させるものだった。目指すは誰からも信頼されるスターター。芽生えた自覚と野心を胸に、新進気鋭のサウスポーがスターダムを駆け上がる。 取材・構成=松井進作 写真=湯浅芳昭(インタビュー)、BBM 悔しさを力に代えて
「アイツは面白い存在になる」と2014年の久米島キャンプで前
星野仙一監督にその才能を見い出され、高卒2年目で開幕ローテーションに抜てきされた森雄大。登板3試合目の4月24日の
西武戦(東京ドーム)で順調にプロ初勝利をマークしたものの、その後は思うようなピッチングができず、5月下旬にはファーム落ち。再び背番号16が一軍の舞台に戻ってきたのはチームも優勝争いから完全に脱落したシーズン終盤のことだった。

13年ドラフトで広島との競合の末、1位で入団。高卒2年目の昨年は8試合29回1/3を投げ、2勝3敗、防御率5.52
2014年シーズンを総括すると悔しさしかないです。不甲斐ない1年だったなと。1つ勝ってからはまったくチームの勝利に貢献できなかったですし、9月に再昇格したときはすでにチームもBクラスが決定して、僕自身もゲームが崩れたときに投げる感じでしたから。

昨年の4月24日の西武戦(東京ドーム)で5回2/3を投げて1失点の熱投。入団2年目で待望のプロ初勝利を手にした
せっかく開幕から先発ローテーションで投げさせていただけるチャンスをもらったのに、その期待に応えることができずに申し訳ない気持ちがずっとありました。が、一番は要所でムダなフォアボールが多いこと。そこからピッチングのリズムを崩し、自滅してしまって野手の方にもたくさん迷惑をかけてしまいました。それはメンタルの弱さもありますが、練習不足と体力不足を痛感させられた1年でもありました。
そんな悔しい経験もあって、このオフに体も大きくしたいですし、フィジカル面を徹底的に鍛え直したいと思っています。年明けにはチームメートでいつも良くしてもらっている永井(怜)さんともハワイで初めて一緒に自主トレをさせていただいて、トレーニングメニューや野球への考え方などいろんな刺激も受けました。
あとはその経験を僕自身がどう15年シーズンに生かせるか。本当に僕自身にとっても今後の野球人生を占う意味でも勝負の1年になるとも思っているので、強い気持ちを持ってやっていきたいです。
ライバルは松井裕樹
同じ高卒ドラフト1位入団の森と松井裕樹。1つ年下の左腕はプライベートでは良き仲間でもあり、いざグラウンドに立てば一番近い良きライバルでもある。チームの未来を担う若き2人のサウスポーは切磋琢磨しながらレベルアップに励む日々を送っている。
松井とは年齢も近いということもあって昨シーズンから一緒に行動することが多いですが、そこで感じたのは・・・
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