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伊原春樹氏が聞く スペシャル対談

郭泰源氏に直撃「台湾球界の未来のために」

 

昨年、日本一に輝いソフトバンクの投手コーチとして秋山幸二前監督を支えた郭泰源氏。現役時代は西武でオリエントエクスプレスの異名で活躍したが、今年は台湾プロ野球の統一ライオンズのヘッド兼投手コーチを務める。母国の野球のために奮闘する郭氏を西武時代ともにユニフォームを着て戦った伊原春樹氏が台湾に訪ね、台湾球界の現状、未来について語り合った。
構成=小林光男、写真=BBM、協力=劉東洋(CPBL)



アメリカを目指す台湾の若手選手


伊原 久しぶりだな、泰源。今日は台湾の野球に関していろいろと聞きたいんだけど、台湾のプロ野球チームは1月上旬くらいからキャンプを始めるそうだね。

郭 そうなんですよ。ウチのチームは1月8日からキャンプインしました。どの球団も、だいたいその近辺からキャンプがスタートしますね。

伊原 でも、開幕が3月下旬だろ。長く感じないか?

郭 最初はそういった心配があったんですけど、でも台湾は2月に旧正月で5日間の休みがありますから。それにオフが長いと選手がしっかりと練習しているか分からない。だから、早めに集まってキャンプをするのはいいと思います。

伊原 日本の場合は12月、1月のオフは試合や指導をしてはいけないという取り決めがある。それでも、自主トレでいまの選手はきっちりトレーニングしているからな。ところで、現状の台湾野球の実力はどれくらいあると思う? 2013年のWBC第2ラウンドでは日本をだいぶ苦しめたけど。

郭 選手間の実力の差が激しいですよね。代表チームを組めば日本と対等に戦えるかもしれませんが、それ以外の選手は実力的に落ちます。それに、今は若い選手がすぐにアメリカへ行っちゃうんですよね。

伊原 日本よりアメリカへ行く比率が高いの?

郭 はい、そうですね。でも、なかなか成功せずに帰国してくるケースが多いです。うまくいくのは難しいですよね。選手にとっては夢なんでしょうけど、ある程度、日本や台湾で結果を残してからアメリカへ挑戦する方がいいと個人的には思うんですよね。

2013年のWBC第2ラウンドで最後まで日本を追い詰めた台湾。トップレベルは日本と差はそれほどない[写真=Getty Images]



伊原 高校を卒業後に渡米して2、3年プレーしても芽が出なかったら、もう終わりだからね。

郭 確かにそうなんですよね。

伊原 アメリカは青田刈りじゃないけど、片っ端から選手を取って何人か戦力になればいいというやり方だから。日本の場合は外国人枠もあるから、獲得するときは慎重に、シビアになるケースが多い。だから台湾の場合、例えば指導者が「お前の力ではまだ無理だ」と引き留めることも必要だと思うんだよね。

郭 たぶんお金の問題も・・・

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