侍ジャパンが抱えるサウスポー不足という問題を解消するキーマンかもしれない。セ界随一の安定感を発揮している左の竜投の柱は、日の丸を背負う気概も球界屈指である。 文=吉見淳司、写真=井田新輔 大野雄大の自宅にはある一着のユニフォームが飾られている。背番号「22」こそ
中日でのものと同様だが、白い下地に紺色のストライプが入ったそれは、日本代表の一員として2013年11月にチャイニーズ・タイペイ代表チームと対戦した際にソデを通したものだ。
大野は11月8日の第1戦(台北・新荘)に、2対1で迎えた5回から、先発・
小川泰弘(
ヤクルト)の後を継いで登板。3回1失点の内容で、
小久保裕紀代表監督就任後、初の勝利投手となった。
「小さいころから日本代表や日の丸は夢だったので、代表のユニフォームにソデを通したときは本当にうれしくて、一生の宝物だと思いました」
しかし、その後に行われた14年11月の日米野球、15年3月の欧州代表戦で召集されることはなかった。欧州代表戦では中日でチームメートの
又吉克樹が第1戦(3月10日、東京ドーム)で勝利投手となる活躍。
「素直にうらやましかった。注目される場で結果を残せるのはうらやましいことだし、素晴らしいことだと思います」
自称「目立ちたがり屋」の大野だが、そのうっ憤を晴らす機会が、今オフに巡ってきそうだ。

台湾遠征第1戦では第2先発で勝利投手に。小久保代表監督に1勝目をプレゼントした[写真=小山真司]
侍ジャパンの左腕不足は顕著だ・・・
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