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ソフトバンクの優勝はただの優勝ではない

 

勝ち過ぎるホークスのDNAが60年を経て一気に発現! 99勝と全チーム勝ち越し、打率、本塁打、防御率トップの完全Vを達成してほしい。
写真=桜井ひとし

9月13日の楽天戦(コボスタ宮城)に8対6で勝利、同日2位・日本ハムも敗れ、マジックを2とした



95勝ペースを実現したチーム総がかり野球


 あきれるまでのソフトバンクの強さである。ソフトバンクは、9月9日の対日本ハム戦(札幌ドーム)に13対2で大勝。マジック8となった。勝ち星は、早くも80の大台に乗ってしまった(80勝37敗4引分、勝率.684)。2位日本ハムがやっと70勝(勝率.574)、と言っても、セ・リーグの首位阪神が65勝しかしていないのだから、日本ハムは、弱いどころか、強いと言ってよいほどなのだが、ソフトバンクとのゲーム差は無残なまでに開き、絶望の12.5差となった。

 ソフトバンクの9日時点での残り試合は、22とリーグ最多タイ。このままの勝率で推移するとして(今週中にも優勝の可能性があるのだから、V決定後は、ペースが緩むものだが、今年のソフトバンクなら緩んでも勝ちそう!?)、あと15勝する勘定(引き分けなしとする)。95勝まで勝ち数を伸ばした優勝チームが過去にあったのかどうか、調べてみると、ありました、ありました。55年の南海(やはりホークスだ!)99勝(41敗3引分、勝率.707)。もちろん優勝。試合数も今年とまったく同じ143。ホークスは翌56年(この年は154試合)も96勝(それでも2位。優勝は同じ96勝の西鉄で負け数が1つだけ少なかった。これは空前の超ハイレベルのV争いとしてプロ野球史上に残っている)。

9月12日の楽天戦(コボスタ宮城)では柳田が6回に32号アーチ。9対2の完勝に貢献した



 とにかく、ホークスには、勝ち過ぎるという伝統(?)があるのである。南海末期からダイエー初期のイメージがホークスのイメージのファンには信じられないことだろうが、これは歴史的事実なのだ(ちなみに55年の99勝は日本プロ野球シーズン最多勝記録)。南海は、54年から3シーズン連続90勝以上という、ものすごい記録を持っているが、このDNAが60年後に、爆発的に発現した、とでも言えるかもしれない。

 80勝目は、例によって“定食メニュー”。五番・李大浩が本塁打を含む3安打4打点。復調の四番・内川聖一が3安打2打点。三番・柳田悠岐は“四球攻め”に苦しんだが、7回の第5打席でしっかり中前タイムリーして1打点。クリーンアップで7打点をマークして負けるチームなどあり得ない。忘れちゃいけないのが、すでに31号本塁打してチームトップの六番・松田宣浩だが、打点はなかったが、しっかり2安打。

 投げる方も定食メニューでバンデンハークが6回を1失点(何と楽な先発の仕事であることよ!)、8連勝をマークした。「自分1人では力は出せない。これだけ点を取ってくれたチームメートに感謝です」とはバンデンハーク。先発の仕事が6回でOKなら、100勝だって夢ではない。 それはともかく、やることなすことうまくいく工藤監督は、試合後、何と言っただろうか。「CSに向けてもいい勝ち方だった」「優勝して日本ハムとCSで当たるのは確実だから、いい勝ち方だった」ということなのだろうか。まあ、そういうことなのだろう。工藤監督も「優勝しなかったらおかしい」という心のうちを、隠さなくなった、というワケだ。

 翌10日の同カードは、ゴルフに例えれば、15番ホールでバーディー、これが実質的なウイニングパット、そんな感じの試合となった。あの大谷翔平から7点を奪いKO、7対3の完勝だったからだ。今季初対戦(4月12日、熊本)こそ7回無失点に抑えられたが、その後は5、7、7得点と大谷を打ち崩し、自信喪失に追い込んでいる。

「スコアラーやバッティングコーチがよくやってくれている」と工藤監督は言ったが、“チーム総がかり野球”ができているから、95勝ペースで勝ち進むことができたのだ。この試合、2回に松田が右越えに先制の32号3ラン。

「(大谷を)初めて打てたよ。速い球を打てたのがよかったね(154キロ)」と松田。もうソフトバンクは怖いモノなしになった。

9月10日の日本ハム戦(札幌ドーム)では2回に大谷から松田が2ランするなど7対3の完勝。2位の日本ハムに3タテを食らわせた(写真=高原由佳)



 12日の楽天戦(コボスタ宮城)も9対2の完勝。連勝を6に伸ばしマジックは4。これで82勝となり貯金「45」。この数字は、50年ぶりだ。50年前の65年の南海はもちろん優勝(2位東映に12ゲームの大差)。全チームに勝ち越し、打率、防御率、本塁打数、得点がリーグトップのパーフェクトV。12日時点で唯一2位だったチーム本塁打数も、128でトップに立った。ソフトバンクの今年の優勝、ただの優勝とはワケが違うのだ。そして16日、マジックはついに1となった。
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