2年連続日本一を達成しているチームに貢献できていない。2014年は左手薬指の骨折、15年は右足関節内反捻挫と試合中のケガで戦線を離脱した。チームの喜びの中に覚えた悔しさがある。かつてレギュラーとして輝いたころのように、一新した立場で新シーズンに挑む。 取材・構成=菊池仁志、写真=川口洋邦、湯浅芳昭 左足についている“目”
分厚い選手層を誇るソフトバンクで、最も過酷な争いが繰り広げられたセカンドのポジションを実力でもぎ取った。カギとなったのは打撃。春季キャンプで初めての紅白戦が行われた2月16日、白組の二番・二塁で出場した本多雄一は、初回の第1打席、五十嵐亮太が投じた2ボールからの直球を迷いなく振り切った。完璧にとらえた鋭い打球は右翼線への二塁打に。課題とした直球への対応に確かな感触を得た。 その打席はオフからやってきたことがいい形で出ましたね。ピッチャーが投げる一番速い球、真っすぐを一発で仕留めるというところが課題としてあって、一番大事にして取り組んできたことです。変化球ではなく、ピッチャーの基本である真っすぐを一発で前に飛ばすこと。しかも、低くて強い打球を意識しています。それを紅白戦の第1打席から継続してできている。いまのところいい感じです。

オープン戦は直球に力負けしないことがテーマ。打撃でのアピールが目を引く
今年は打たないと試合に出してもらえない状況になります。その中で開幕に向けて自主トレ、キャンプから、実戦で結果を残すことを課題にしてやってきました。その気持ちが強過ぎるだけでは体が動かないので、しっかりとした形を作ることも重要で、真っすぐを確実に仕留めることを逆算した形でフォームを作ってきました。やってきたことを継続したまま、いまは打てています。

新打撃フォーム『昨年[上]とは構えた時点からヒザの使い方が大きく違うと思います。課題であった真っすぐを確実に一発で仕留めることができるようになろうと考えたとき、そこから逆算してこの形にたどり着きました』
今年でプロ11年目。これまでも真っすぐを強くとらえられたときはいいシーズンを送れました。でも・・・
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