疾走する一番打者昨季に味わった屈辱感がすべての原動力となっている。2年連続最下位からの巻き返しを図るチームの、文字どおりけん引役。プロ5年目の今季、開幕から安打を量産して首位打者争いを演じるトップバッターが、自身の打撃、そしてチームへの想いを語った。 取材・構成=富田庸、写真=大泉謙也(インタビュー)、BBM 
難しい球に食らいつき、泥くさいヒットも打てることが好成績につながっている/写真=大賀章好
最初の打席を大事に
チーム打率.265はパ・リーグ2位。投手陣の不調もあり、下位に低迷している楽天だが、活発な打線は相手チームに脅威を与えている。その中でキーマンの役割を担っているのが岡島豪郎。左のクラッチヒッターが打線の火付け役となり、時には勝負を決める一打も放つ。プロ5年目の26歳が、キャリアハイを目指して勝負のシーズンを戦っている。 ――序盤戦、打率は3割6分を超えることもあり、首位打者争いのトップに立っています(5月19日現在)。ここまで、自身の調子をどう分析していますか。
岡島 4月14日に登録を抹消されて、同26日に戻ってきたわけですけど、バッティングの調子自体は悪くないと思います。抹消されたのも、軽いぎっくり腰みたいな感じで、打つにしても走るにしても、ちょっと力が入らないなという状態で。でも、それも2、3日で回復したので、早い段階で再登録となりました。今季は次の日まで疲れを残さないように、特に体のケアを大切にしているんです。そういった取り組みが実を結んでいるのだと感じています。
――開幕戦でいきなり4安打。死球も含めると全5打席で出塁しました。今季は上々のスタートだったのでは。
岡島 いや、実際はそうでもなかったんですよ(苦笑)。けっこう、ラッキーなヒットも多かったですし。開幕戦の4安打はたまたまという部分が大きいです。ヒットは出ていても自分の中では調子が良くないという思いがあったし、事実、開幕戦以降は3試合連続でヒットが出ませんでしたから……。
――では、調子を上げるようになったきっかけは何かあったのでしょうか。
岡島 試合後だったり、試合前の練習で調整しました。だんだん良い感覚がつかめるようになったと感じたのは、4月に入ってからですね。
――調子が上向いてきた中での一時離脱となりましたが、復帰後はスムーズに実戦へと入れましたか。
岡島 さすがに最初の試合(4月26日の
日本ハム戦=札幌ドーム)はきつかったですね(3打数無安打)。ただ、それもすぐに払拭できたのが大きかったです。
――翌27日から2日連続で3安打、勢いづいて、トータルで9試合連続安打をマークする活躍ぶりでした。
岡島 特別に良い状態でなくても、悪い中でも、その日その日に修正できたということはありますね。体が思いどおりに動くというか、そんな感覚を覚えています・・・
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