秋に有終の美を飾るために――。現在、選手たちは春季キャンプで日々汗を流している。選手のレベルアップはもちろん、栄冠を手に入れるためには、チームにある課題をクリアしなければいけない。果たして各球団、優勝への障壁は何か?そして、それを打ち破ることができるのか。今特集で12球団の優勝への最大課題を取り上げ、それに対して球団がどのような取り組みをしているのか見ていこう。 ※「課題クリア難易度」は実際にその課題をキャンプ中に克服する難しさを表す。100に近づくほど、その難度は高くなる。 Vへの最大ポイント・正捕手 課題クリア難易度80

斐紹、甲斐に負けじと、昨秋から好アピールを続ける3年目の栗原/写真=内田孝治
■課題らしい課題なし!常に高いレベルへ 投手陣のメンバーはベテランから若手まで豪華絢爛。先発枠が6では足りず、押し出されるようにリリーフの競争が激化している。野手に目を転じても
内川聖一、
松田宣浩、
柳田悠岐、
中村晃、
今宮健太と不動のレギュラーが充実し、そのほかのポジション争いもハイレベル。オフに
糸井嘉男、
陽岱鋼、
岸孝之が名乗りを挙げたFA戦線に参戦しなかったのは「いまの戦力と比較して、取らなくても戦えると判断した」(後藤芳光球団代表)からだ。
課題を挙げるといっても重箱の隅をつつくようなもの。しかし、昨年、命題だった日本一を逃した事実がある。それだけに「競争して、若い選手が一人でも多く、ポジション争いに入ってきてくれればいいと思います」と、
工藤公康監督は貪欲に一段高いレベルを求めている。
捕手固定なるか!?候補は目白押し
キャンプイン時のA組(一軍)捕手の顔ぶれに指揮官の思いが透ける。「一軍経験は僕が一番ある。しっかりやらないといけない立場」と自覚十分の斐紹を筆頭に鉄砲肩が魅力の
甲斐拓也、昨季二軍19試合ながら打率.306と打撃を売りにする
栗原陵矢、投手の長所を引き出すキャッチングを評価される
張本優大の個性の異なる20代4選手が切磋琢磨。
「捕手であっても、守りだけできればいいというわけではない。ほかのポジションと同様に打って、走って、守る。三拍子を求める」(工藤監督)。インサイドワークではB組(二、三軍)スタートの
鶴岡慎也、
高谷裕亮に一日の長があるだけに、若手にはそれを凌駕するパフォーマンスが求められている。
扇の要にドシリと座り、打っても主軸を務めた
城島健司がメジャーに去った2006年以降、捕手は常にチームの課題に挙げられてきた。求められる基準が高いだけに、打つだけ、守るだけでは定着し切れず、
山崎勝己(現・
オリックス)、
田上秀則と主戦級は年替わり。11年に
細川亨(現・
楽天)、14年に鶴岡慎也をFAで獲得しても状況は変わらず、昨季は鶴岡が67試合、細川が36試合、高谷が30試合、斐紹が10試合とスタメンマスクを分け合った。
「捕手は配球もあるし、やることがたくさんあって難しいポジションだけど、一度モノにすれば、10年は守れるポジション」
シーズン通して任せられる一捕手に固定することが工藤監督の理想。就任以来、複数捕手で戦ってきたのは眼鏡にかなう存在がいなかったからだ。当時の
王貞治監督の「城島を一人前の捕手に育てる」という方針の下、投手としてその成長に寄与したのが現役時代の工藤監督なら、城島が一線級の選手になったのちの存在感の大きさを肌で知ってもいる。自然、求めるレベルも上がるというわけだ。
「今年は捕手がキーになる」
昨季は斐紹を
和田毅、
攝津正のベテランとコンビを組ませ、経験を積ませようとしたが、計画は早々に頓挫。今年は
広島黄金時代を捕手として支えた
達川光男氏をヘッドコーチに迎え、監督就任以来の課題解消に本気度は高い。細川の一枠を空けたのもチームの決意を示すもの。実質、一枠をめぐるサバイバルレース。決着の行方が今季の結果に結びつく。
優勝へのその他の課題 ●左キラー・森福の抜けた穴
●流れを変える一発・長打力不足