侍ジャパンは2大会連続の準決勝敗退に終わったが、各地で熱戦が展開された第4回WBC。その裏で起こったあんなことやこんなこと。見逃してはならない“10”の出来事を振り返る――。 写真=小山真司、高原由佳、GettyImages File.01 大谷翔平がWBC出場断念!

大谷はまさかの、そして無念の欠場
侍ジャパンメンバー28人が発表された直後の衝撃だった。先発ローテの軸を期待されていた
大谷翔平が、右足首の故障のために投手としての出場見送りを表明。これを受けて
小久保裕紀監督は大谷抜きでWBCを戦うという苦渋の決断を下した。指揮官は「(世界一という)目標、目指すところはまったく変わらない」と気丈に前を向いたが、さらに開幕直前には扇の要・
嶋基宏も右ふくらはぎ痛のため代表を離脱。侍ジャパンは手負いの状態で本番を迎えることになった……。
File.02 ボールキャッチで山田幻弾

本塁打のはずが……山田は二塁へ戻された
1次ラウンドのキューバ戦[東京ドーム]、日本代表にとってのオープニングマッチでハプニングが起きた。同点の4回、二死二塁で
山田哲人が放った打球は左翼席に飛び込んだかと思われたが、観客がダイレクトキャッチ。グラブが外野フェンスより手前だったためリプレー検証となり、勝ち越し2ランだったはずが二塁打と判定されて1点を勝ち越すにとどまった。
しかし、これで意気消沈しないのが侍ジャパンの底力。続く5回には一挙5点を奪う猛攻で快勝。ハプニングも力に変えて絶好のスタートダッシュを決めた。
File.03 終電に注意!? 4時間46分、23時54分終了の死闘

試合後の会見が終わったのは深夜0時25分だった……
2次ラウンドの初戦、東京ドームでのオランダ戦は延長11回タイブレークの末に決着する死闘に。試合時間はなんと4時間46分、時計の針は23時54分を指していた。当然、最寄りのJR水道橋駅は終電間近で、勝利の余韻に酔いしれながらもファンが殺到。周辺の道路には終電を逃したファンを狙ってタクシーが大集結していた。
幸い大きな混乱や事故はなかったが、WBCは球数制限による頻繁な投手交代で試合時間が長引く傾向にあり、その後の試合では帰宅困難者が出ることを防ぐため、東京ドーム内で終電時間に注意を促すアナウンスが流されていた。
File.04 高視聴率連発と19時開始の謎

大会の盛り上げにテレビ中継が一役買っていたのは確か
日本戦はいずれも試合開始が19時と遅めに設定されていた東京ドームでの1、2次ラウンド。終了時間が遅くなる、翌日12時開始の場合は相手国への負担が大き過ぎる、など問題点も指摘されたが、ゴールデンタイムということもあってテレビ中継の平均視聴率は1次ラウンドが22.2%(キューバ戦)、21.2%(オーストラリア戦)、18.0%(中国戦)、2次ラウンドが25.2%(オランダ戦)、27.4%(キューバ戦)、25.8%(イスラエル戦)と高視聴率を記録。また12時開始というのは、アメリカ時間ではゴールデンタイムにあたる。大会の盛り上がりを考えれば、致し方なしの部分もあるのか……。ちなみに日本時間午前10時開始の準決勝アメリカ戦の視聴率は平日にもかかわらず20.5%だった。
File.05 歓喜から一転……メキシコの悲劇!

大会レギュレーションに翻ろうされたメキシコ
1次ラウンドのプールDで前代未聞の大混乱が起こった。天国から地獄に突き落とされたのはメキシコだ。一度はプレーオフ進出を告げられながら・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン