ペナントレースの幕が上がれば、戦前の予想どおりに事が進むわけがない。昨季の3強3弱がそっくり入れ替わったパ・リーグを各チームの戦いぶりを分析しながら、序盤戦の“不思議”を識者が解き明かす。 ※記録は4月29日時点、写真=BBM Q.昨年の下位3チームはなんでこんなに強いの?
A. 最終的な結果を残して、はじめて「強かった」と言えます パ・リーグの序盤戦は昨年の上位3強だった
日本ハム、
ソフトバンク、
ロッテが下位に、同じく下位3チームだった
西武、
楽天、
オリックスが上位につけています。3強3弱が入れ替わった状態になっていましたが、昨年の下位3チームの強さが本物かどうかはシーズンが終わってみなければ分かりません。結果を残して、はじめて「強かった」と言うことができるからです。
それでも各チームの好調の要因と、今後も上位をキープするためのキーポイントは見えてきています。
絶好調の楽天は投打がかみ合っています。攻撃陣ではやはり一番・
茂木栄五郎、二番・ペゲーロが抜群に機能していることが大きいでしょう。この一・二番が止まったときにどうなるのか、という不安はありますが、一方で三番・
ウィーラー、四番・
アマダーにはこれまで当たりが出ていません。一・二番が止まったときには三・四番が復調している、という好循環が生まれれば、活発な攻撃を維持できます。投手陣では抑えの
松井裕樹に中継ぎの新人トリオ、
森原康平、
高梨雄平、
菅原秀の働きが目を見張ります。
実績ある則本昂大、岸孝之に続く先発陣の頑張りが今後の戦いの行方を左右するでしょう。
松井裕が奮迅の活躍を見せ、森原[写真]を筆頭に新人3人も十分な働きを見せるリリーフ陣。後ろが盤石のため取りこぼしが少ないのも楽天の強みだ
オリックスは序盤の打線をけん引した
ロメロが戦列を離れてしまいましたが、
駿太、
宮崎祐樹、
武田健吾といった
日替わりヒーローが登場することでチームに勢いをもたらしています。
中島宏之、
小谷野栄一といったベテラン勢も元気です。投手陣は
金子千尋、
西勇輝が昨季とは見違えるような投球を見せています。しかし、投打ともに選手層が厚いとは言えない。ベテラン勢はこれまでケガに悩まされてきた選手が多いだけに、1年間戦力を維持できるかがカギになりそうです。
小谷野らベテラン勢がケガなくシーズンを過ごすことができれば、オリックスの勢いは持続するかもしれない
前評判どおりの打撃力を見せているのが西武。それ以上に昨季101個を数えた失策が激減していることが大きいです。
昨年は失策から自滅する試合が多かったですが、今季は本来の力どおりに勝つことができています。特に光っているのが新人の
源田壮亮。持ち前の守備だけではなく、攻撃面でも機能しています。ただ、ここまでは好調を保つ投手陣がどれだけの結果を残し続けられるか。
菊池雄星に続く先発投手の多くはこれまでの実績が足りません。
高橋光成、
野上亮磨、
多和田真三郎あたりがもう一皮むければ、より安定した戦いができるはずです。戦前の予想どおり、投手次第というのは今後も変わらないでしょう。
ルーキー・源田は開幕から遊撃のポジションをがっちり確保。内野守備を引き締め、二番打者としても十分な働きを見せている
Q.2016年の3強はなんで出遅れたの?
A. ソフトバンクの巻き返しは時間の問題。日本ハム&ロッテは不安大です 戦力のわりに勝利がついてきていないソフトバンクですが、深刻な事態とは言えないでしょう。投打のバランスさえかみ合えば自然に上に行くのでは、という戦いは見せています。逆に
和田毅、
武田翔太、
スアレスなど投手陣にケガ人が相次ぎましたが・・・
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