5月半ばを過ぎても、その勢いは衰えていない。昨季5位の楽天が快進撃を続けている。好調のチームの内部ではいま、何が起きているのだろうか。投打両面における“変化”に迫る。 ※成績は5月15日時点 
投打がかみ合い快進撃を続ける楽天。則本、美馬、岸の三本柱が機能し、連敗が少ないのが強みだ
破壊力ある打線と安定したブルペン
2年目に懸ける強い思いを、
梨田昌孝監督は開幕の
オリックス戦のオーダーで表現した。トップに進境著しい2年目の
茂木栄五郎を据えると、二番からペゲーロ、
ウィーラー、
アマダーを並べる超重量打線。さらに右足が万全ではなかった
藤田一也ではなく、二塁には
銀次を起用し、一塁に
今江年晶を入れる攻撃的布陣を敷いた。延長11回、ペゲーロの決勝2ランで開幕戦を取ると、第3戦も9回にペゲーロの逆転2ランが飛び出すなど、見事に開幕3連勝。一気にシーズンの流れをつかんだ。
苦肉の策だった。開幕を前にインフルエンザが蔓延。開幕投手が決まっていた
岸孝之が離脱を余儀なくされた。
美馬学を代役に立てたが、オリックスの開幕投手・
金子千尋に対して投手戦を挑むのは勝算が薄く見えた。指揮官も「金子に対して、点を取らないといけないというところでね。オプションの1つではあったと思うけど、これがベースというわけではない」と、外国人3人を並べる打線を“オプション”と表現したが、想像以上にはまったこの形は5月に入るまで崩れなかった。ちなみに二番にペゲーロを置いた理由は「守備固めを入れる可能性が高いから」(梨田監督)。三、四番を試合終盤でも崩さないための打順が、結果的に「二番最強説」を盛り上げることにつながった。
チームに勢いをつけたのは破壊力を秘めた打線だが、快進撃を続ける最大の要因は投手陣の充実だ。特に、大きく顔ぶれが変わった中継ぎ陣は、最大のストロングポイントになっている。6回は経験豊富な鉄腕・
福山博之、7回には角度のある直球を武器とする新人・
森原康平、8回はハー
バード大卒のインテリ助っ人・
ハーマン、そして9回に絶対的守護神・
松井裕樹と並ぶ勝利の方程式。さらに、キレ味鋭いスライダーを操る
菅原秀、変則左腕・
高梨雄平のルーキー2人も、開幕からブルペンをしっかりと支えた。
5月15日まで、先制しながら敗れた試合はわずか3試合。強力なリリーフ陣がリードを守り切り、接戦をものにする形ができている。梨田監督は「打撃はいくら良くてもあてには・・・
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