兵庫・小野高、慶大で活躍し、東京六大学リーグ戦では早大・和田毅(ソフトバンク)と真剣勝負を演じた元フジテレビアナウンサーで現スポーツアンカーの田中大貴は、1980年生まれの「松坂世代」の1人。そんな野球人・田中が、同年代の選手たちをプロ野球現場の最前線で取材した至極のエピソードを、コラムにして綴る連載第8回です。 
9月28日、東京ドームで行われた巨人対DeNA戦の試合前、試合後に引退セレモニーが行われ、古巣の後輩たちの手によって胴上げされる村田修一
どうすればあんな打球が?
16年前の夏、横浜の日吉にある慶大グラウンドでのオープン戦でのことです。慶大、日大ともに秋季リーグ戦を数週間後に控えた貴重な練習試合で、右バッターボックスに入った日大の四番バッターは第1打席からなぜかバスターの構えでした。
「どうしてバスター? ランナーなしで? 四番バッターが? あのプロ注目の東都No.1打者が?」
守備に就いていた私の頭の中ではさまざまなハテナが駆け巡っていました。そのときです。破裂するような衝突音を残して、気が付けば打球はライナーでライトフェンス直撃。打ったバッターは悠々と二塁へ。バスターの構えから、あわやホームランの強烈な、しかも糸を引くような弾丸ライナー。そんな完ぺきな当たりにもかかわらず、セカンドキャンバス上でそのバッターは・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン